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Apple

【辛口レビュー】iPhoneAirを買ってはいけない理由| 全てが中途半端に批判の声殺到

ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、2025年9月に鳴り物入りで登場した「iPhone Air」の革新的な薄さに心を惹かれつつも、ネットやSNSで飛び交う辛辣な評価の数々に戸惑い、購入をためらっているのではないでしょうか。

私も発表当初はそのコンセプトに大きな期待を寄せ、争奪戦を勝ち抜いて実際に購入までしましたが、数週間使い込んだ上での本音を申し上げるなら、「これは断じて人に勧められる製品ではない」というのが結論です。

引用 : Apple HP

この記事を読み終える頃には、なぜiPhone Airがこれほどまでに「買ってはいけない」とまで言われるのか、その理由が明確になっているはずです。

記事のポイント
  • 何もかもが中途半端な妥協の産物
  • 失われたAppleらしさと高すぎる価格設定
  • 薄さという唯一の長所を殺す純正アクセサリー
  • 結局Proモデルを選んだ方が幸せになれる理由
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結論:iPhone Airは買うな!あまりにも多い妥協点と失われたAppleらしさ

早速結論から申し上げますが、もしあなたがiPhone 17シリーズの購入を検討していて、その選択肢にiPhone Airが入っているのであれば、今すぐ考えを改めるべきです。このモデルは、Appleが「薄さ」という一点を追求するあまり、スマートフォンとして本来あるべき多くの重要な要素を犠牲にしてしまった、まさに「妥協の産物」と呼ぶべき代物だからです。

引用 : Apple HP

私自身、長年Apple製品を愛用し、そのミニマルで洗練されたデザイン哲学に魅了されてきた一人です。しかし、このiPhone Airからは、かつてスティーブ・ジョブズがこだわったであろう細部への執念や、ユーザー体験を第一に考える姿勢がほとんど感じられません。むしろ、スペックシートの数字を追いかけるあまり、実際の使い勝手を無視したかのような「改悪」が随所に見られます。ここでは、私が実際に使って感じた「買ってはいけない」具体的な理由を、一つひとつ徹底的に解説していきます。

中途半端なサイズ感とバランスの悪い重心

まず最初に違和感を覚えたのが、この何とも言えない中途半端な本体サイズです。iPhone Airは、通常のProモデル(6.1インチ)よりは大きく、Pro Maxモデル(6.7インチ)よりは小さい、絶妙にどっちつかずのサイズ感で設計されています。

Appleとしては、大画面の需要を取り込みつつ、「Air」の名にふさわしい軽さを実現するための最適解だったのかもしれません。しかし、現実はその逆。片手で快適に操作するには大きく、親指が画面の隅々まで届きません。かといって、Pro Maxのような大画面の没入感を期待すると、物足りなさが残ります。まさに「帯に短し襷に長し」で、小型スマホを好むユーザーにも、大画面を愛するユーザーにも、どちらにもそっぽを向かれる結果となっています。

さらに問題なのが、重心のバランスの悪さです。薄型化のしわ寄せはカメラユニットに集中しており、本体上部だけが不自然に出っ張っています。これにより重心が上部に偏り、手に持った際に非常に不安定に感じるのです。特に私のよう手が小さい人間が持つと、本体の下側を支える形になるため、常に頭でっかちな不安定感がつきまといます。これは、毎日使うデバイスとしては、無視できない大きなストレス要因です。

名前負けしている「Air」の名ばかりの軽さ

「Air」という名前を聞けば、誰もがMacBook Airのような、持った瞬間に驚くほどの軽さを期待するでしょう。しかし、iPhone Airの重量は164g。確かに、iPhone 15 Pro(187g)と比較すれば23g軽いですが、これは革命的な軽量化とは到底言えません。

むしろ、前述の通り本体サイズが一回り大きくなっているため、体積あたりの密度が下がり、「感覚的に」軽く感じるに過ぎないのです。数字の上では微々たる差であり、日常利用でその軽さの恩恵を劇的に感じる瞬間はほとんどありませんでした。Appleは「Air」という魔法の言葉でユーザーの期待を煽りましたが、その実態は、名前に実力が伴っていない「名前負け」した製品と言わざるを得ません。

カメラの出っ張りで台無しな「薄さ」

iPhone Airの最大のセールスポイントは、市場最薄クラスのその筐体です。しかし、その薄さを実感できるのは、箱から取り出した最初の数分だけかもしれません。なぜなら、巨大なカメラユニットが出っ張っているため、平らな机の上に置くとガタガタと安定しないのです。

そして、多くのユーザーがスマートフォンをケースに入れずに使うでしょうか?特に16万円もする高価なデバイスであればなおさらです。しかし、このiPhone Airにケースを装着した瞬間、その最大の美点である「薄さ」は完全に失われます。むしろ、カメラの出っ張りを保護するために、ケースはより分厚くならざるを得ず、結果としてiPhone 17 Proにケースをつけた状態と大差ないか、それ以上に厚くなってしまうという本末転倒な事態に陥るのです。ケース運用が前提の現代において、この設計は矛盾していると言わざるを得ません。

16万円のスマホとは思えないモノラルスピーカー

これはAppleの正気を疑った、最大の妥協点です。iPhone Airのスピーカーは、信じられないことに「モノラル」仕様なのです。つまり、本体を横にして動画を観たり、ゲームをプレイしたりすると、片側からしか音が出ません。2025年において、3万円台の安価なAndroidスマートフォンですらステレオスピーカーが標準搭載されているというのに、16万円もするハイエンドモデルがモノラルというのは、あまりにもユーザーを軽視しています。

実際にYouTubeを再生してみると、その違和感は想像以上でした。映像の真ん中からではなく、左側からだけ音が聞こえてくるため、コンテンツへの没入感は著しく損なわれます。音質も、Proモデルと比較すると明らかに低音が弱く、全体的にスカスカとした印象です。薄型化のためにスピーカーユニットを一つ犠牲にしたのでしょうが、これは決して許されるべきトレードオフではありません。

超広角なし、マクロ撮影不可という致命的なカメラ性能

スマートフォンのカメラは、今や日常を記録するための必須ツールです。しかし、iPhone Airのカメラは、その性能においても大きな妥協が見られます。搭載されているのは、メインの広角カメラが一つだけ。Proモデルには標準搭載されている「超広角カメラ」がありません。

これにより、広大な風景をダイナミックに撮影したり、大人数での集合写真を撮ったりする際に、画角が足りず窮屈な思いをすることになります。デジタルズームで画質を犠牲にして拡大することはできても、デジタル処理で画角を広げることはできません。

さらに致命的なのが、「マクロ撮影(接写)」ができない点です。近年のiPhoneは、この超広角カメラを利用して被写体に数センチまで寄れるマクロ撮影を実現していました。しかし、超広角カメラを持たないiPhone Airでは、料理や花、小物などを大きく写したくても、ある一定の距離以上はピントが合わないのです。これは、スマートフォンのカメラに多様な表現力を求めるユーザーにとって、非常に大きなデメリットと言えるでしょう。

カメラ機能比較 iPhone Air iPhone 17 Pro
広角カメラ 搭載 搭載
超広角カメラ 非搭載 搭載
望遠カメラ 非搭載 搭載
マクロ撮影 不可 可能

高速充電に非対応という時代遅れの仕様

iPhone 17シリーズでは、純正充電器を使用することで最大40Wの高速充電に対応すると言われています。しかし、情報によると、この恩恵を受けられるのはProモデルのみ。iPhone Airは高速充電に非対応で、従来の18W程度の速度しか出ないようです。

iPhone Airは薄型化の代償として、Proモデルよりもバッテリー容量が少ないと推測されます。それにもかかわらず、充電速度まで遅いというのは、運用上の大きな足かせとなります。急いでいる時にサッと充電して出かける、といった現代的な使い方ができないのは、明らかなマイナスポイントです。競合のAndroidスマートフォンが100W超の超高速充電を当たり前のように搭載している中で、この仕様はあまりにも時代遅れです。

すぐに曲がりそうな不安な強度

iPhone Airは、軽量化と強度を両立させるために、高価なチタンフレームを採用しています。しかし、その努力もむなしく、極限までの薄型化が仇となり、本体の剛性は著しく低くなっています。

実際に両手で少し強めに力を加えてみると、Proモデルではびくともしないのに対し、Airは明らかに「しなり」ます。全力で曲げれば破壊できてしまいそうな不安感を覚えるほどです。これをジーンズの後ろポケットに入れてうっかり座ってしまったらどうなるか…想像するだけで恐ろしくなります。日々の生活の中で、常に本体の強度を気にしながら使わなければならないというのは、精神衛生上よくありません。

謎仕様?ダイナミックアイランドの微妙なズレ

細かな点ですが、Appleの設計思想の変化を象徴しているのが、画面上部の「ダイナミックアイランド」の位置です。他のiPhone 17シリーズと比較すると、iPhone Airだけ、この位置がわずかに下へずれているのです。

これは、薄すぎる筐体の中にFace ID用のセンサーやインカメラを収めるスペースが上部になく、やむを得ず位置を下げた結果だと思われます。Appleはこれまで、こうしたUIに関わる重要な要素の配置を全モデルで統一し、一貫したユーザー体験を提供することに徹底的にこだわってきました。このわずかなズレは、その哲学を自ら捨ててしまった証拠であり、薄型化という目的のために、細部の美しさや統一感を犠牲にした「妥協」の象徴と言えるでしょう。

iPhone Airのデザインと所有欲を満たさない残念なポイント

スマートフォンの魅力は、スペックや機能だけではありません。毎日手にするものだからこそ、そのデザインや質感、カラーリングといった「所有欲」を満たす要素も非常に重要です。しかし、iPhone Airは、その点においてもユーザーを落胆させるポイントが数多く存在します。

引用 : Apple HP

これはゴールド?目を疑うカラーバリエーション

私が購入したのは「ゴールド」モデルです。しかし、箱を開けて現物を見た瞬間、我が目を疑いました。どう見ても、淡いクリーム色がかった「ホワイト」にしか見えなかったのです。SNSで確認したところ、これは不良品ではなく、今期のゴールドはこの色合いが仕様とのこと。さらに、「ブルー」モデルもほとんど白にしか見えず、ホワイト、ゴールド、ブルーの3色は、並べて比較しないと違いがわからないという声が多数上がっていました。

Apple製品の魅力の一つに、洗練されたカラーバリエーションがありましたが、iPhone Airに関してはその楽しみが完全に失われています。これでは、何色のモデルを選んでも、大差ない結果になってしまいます。

廃止された物理SIMスロットとeSIMのみの不便さ

iPhone 17シリーズは、全モデルで物理的なSIMカードスロットが廃止され、eSIMのみの対応となりました。これは、Appleが推し進めるポートレス化への一歩なのでしょうが、ユーザーにとっては不便極まりない変更です。

例えば、海外旅行の際に現地のプリペイドSIMを気軽に購入して使うことができなくなります。また、複数のキャリアのSIMを頻繁に差し替えて利用しているユーザーにとっても、eSIMへの切り替えは手間がかかります。何より、通信障害やスマートフォンの故障時に、SIMカードを別の端末にサッと差し替えて通信を確保する、といった緊急時の対応が難しくなりました。利便性よりも、Appleの都合を優先した仕様変更と言わざるを得ません。

謎の発熱問題。何もしてないのに40℃超え

薄型筐体は、熱処理の面で大きなハンデを負います。iPhone Airは、その問題を解決できていないようです。私は初期設定をしているだけで、本体のカメラ周辺が摂氏40度を超える異常な発熱を経験しました。高負荷なゲームをプレイしているわけでも、動画を編集しているわけでもありません。ただ電源を入れただけです。

サーモグラフィーで見ると、熱は本体全体に拡散されるのではなく、特定の一部に集中していることがわかります。これは、放熱設計がうまくいっていない証拠です。夏場の屋外での使用や、長時間のカメラ撮影などで、パフォーマンスの低下や強制終了が頻発する可能性も否定できません。

薄さを殺す本末転倒な純正アクセサリー群

Appleは、iPhone Airの弱点を補うため(あるいはさらなる利益のため)、いくつかの専用アクセサリーを発売しました。しかし、これらの製品はことごとく、iPhone Airの唯一の長所である「薄さ」を完全に打ち消す、本末転倒なものばかりです。

専用モバイルバッテリー

薄型化で犠牲になったバッテリー持ちを補うための、マグネットで背面に装着するモバイルバッテリー。しかし、これを装着すると、当然ながら分厚く、そして重くなります。さらに驚くべきは、そのバッテリー容量の少なさ。約3149mAhという、もはやモバイルバッテリーと呼ぶのもおこがましいレベルの容量しかありません。これでは、iPhone Airを一度フル充電することもままならないでしょう。価格は16,000円と、その性能に見合わない高値です。

専用バンパー

本体の貧弱な強度を補うための専用バンパー。価格は6,000円超。しかし、その質感は安っぽいプラスチックそのもので、本体の美しいデザインを台無しにします。柔軟性が全くないため、着脱は非常に困難で、本体に傷がつくのではないかとヒヤヒヤするほどです。そして、これを装着すると、iPhone AirはiPhone 17 Proよりも分厚くなってしまいます。

1万円のPPバンド

極め付けは、この1万円のハンドストラップです。ただの合成繊維の紐にしか見えないこの製品は、前述のバンパーに開けられたストラップホールに取り付けて使用します。つまり、この紐を使うためには、バンパーと合わせて1万6,000円もの投資が必要になるのです。「1万6,000円の紐」…もはや正気の沙汰とは思えません。

これら全てのアクセサリーを装着した「最終形態」のiPhone Airは、薄さも軽さも完全に失われ、ただただ不格好で重いだけの塊と化します。重量はなんと365g。これが、Appleが目指した「Air」の理想郷なのでしょうか。

Proモデルとの比較|なぜProを選ぶべきなのか

ここまでiPhone Airの欠点を列挙してきましたが、では代わりに何を買うべきか。答えは明白です。「iPhone 17 Pro」です。iPhone Air(256GBモデル)の価格が16万円であるのに対し、Proモデルの価格はおそらく17万円台後半からと予想されます。このわずかな価格差で、得られる体験には雲泥の差があります。

機能/スペック iPhone Air iPhone 17 Pro(推定含む) メリット
価格 (256GB) 160,000円 約175,800円 Airの方が安いが…
スピーカー モノラル ステレオ 圧倒的な音響体験
リアカメラ 広角のみ 広角、超広角、望遠 多様な撮影シーンに対応
マクロ撮影 不可 可能 クリエイティブな撮影が可能
高速充電 非対応 対応 (最大40W) 短時間での充電が可能
強度 低い(しなる) 高い 安心して使える剛性
デザイン 妥協が多い 洗練された設計 一貫したAppleのデザイン

Proモデルを選べば、リッチなステレオサウンドで動画や音楽を楽しめ、超広角や望遠を駆使した多彩な写真撮影が可能になり、マクロ撮影で新たな発見があり、高速充電で時間を有効活用でき、そして何より、本体が曲がる心配をせずに安心して毎日を過ごせます。これだけのメリットが、わずか1〜2万円の追加投資で手に入るのです。そう考えれば、iPhone Airを選ぶ理由はどこにも見当たりません。

iPhone Airは誰に向けたモデルなのか?

Appleは一体、このiPhone Airを誰に売りたかったのでしょうか。 「薄さ」と「軽さ」を何よりも重視するニッチな層でしょうか?しかし、その層はケースをつけずに使うリスクや、数々の機能的な妥協を受け入れなければなりません。 初めてiPhoneを使うエントリーユーザーでしょうか?だとしたら、16万円という価格はあまりにも高すぎます。 結局のところ、この製品はターゲットが全く見えない、Appleの自己満足的な技術デモンストレーションに過ぎないのかもしれません。「これだけ薄いものも作れる」という技術力を誇示したいがために、ユーザー体験を二の次にしてしまったのではないでしょうか。

iPhone 17シリーズ全体の動向とAirの位置づけ

iPhone 17シリーズは、従来の無印、Pro、Pro Maxというラインナップに加え、長年続いた「Plus」モデルを廃止し、この「Air」を投入してきました。これは、市場のトレンドが単なる大画面化から、より多様な付加価値へとシフトしていることの表れでしょう。薄型化への挑戦という方向性自体は、決して間違いではありません。

しかし、製品として市場に投入するには、あまりにも準備不足であり、完成度が低すぎました。iPhone Airは、iPhone 17シリーズのラインナップの中で、明らかに異質で、そして劣った存在です。それはまるで、輝かしい兄弟たちの中で、一人だけ多くのハンディキャップを背負わされた可哀想な末っ子のようです。このモデルの存在は、Appleの近年の製品開発における「迷走」を象徴しているのかもしれません。

まとめ

今回のレビューをまとめます。 iPhone Airは、「史上最薄」という魅力的な響きの裏で、あまりにも多くのものを犠牲にしたスマートフォンです。

  • 中途半端なサイズと劣悪な重心バランス
  • 名前負けの重量と、ケースで無意味になる薄さ
  • 16万円とは思えないモノラルスピーカーと機能不足のカメラ
  • 時代遅れの充電速度と、日常使いに不安を覚える強度
  • コンセプトを自ら破壊する、滑稽な純正アクセサリー群

これだけの妥協点を抱えながら、その価格は16万円。わずかな追加投資で、これらすべての不満点を解消できる「iPhone 17 Pro」という、ほぼ完璧な選択肢が存在します。

もしあなたが、それでもなお「薄さ」という一点に全てを賭けたいという強い信念をお持ちでない限り、iPhone Airの購入は絶対に避けるべきです。それは、あなたにとって後悔の種となり、iPhoneという素晴らしいデバイス体験そのものを損なう結果になりかねません。

今年のiPhone選びの結論は、非常にシンプルです。 堅実に高性能を求めるなら「iPhone 17 Pro」を、コストを抑えたいなら「iPhone 17(無印)」を選びましょう。 そして、「iPhone Air」という選択肢は、あなたの記憶から静かに消し去ることを強くお勧めします。