ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、鳴り物入りで登場したiPhone17 Proのアルミボディが、本当に傷つきやすいのかどうか、その真実が気になっていることでしょう。私も長年チタンボディのProシリーズを愛用してきただけに、今回のアルミニウムへの素材変更には注目していました。

引用 : Apple HP
実際にApple Storeに足を運び、世間の声を徹底的にリサーチし、そして自身のiPhone17 Proを使い込んで見えてきたことがあります。
この記事を読み終える頃には、iPhone17 Proのアルミボディの特性を正しく理解し、あなたがどう向き合っていくべきか、その疑問がきっと解決しているはずです。
記事のポイント
- iPhone17 Proのアルミ素材のメリットとデメリット
- 前モデルiPhone16 Proのチタン素材との硬度・傷つきやすさの比較
- Apple Store展示品が傷つきやすいと言われる本当の理由
- 大切なiPhone17 Proを傷から守るための具体的な方法

iPhone17 Proのアルミボディは本当に傷つきやすいのか徹底検証
待望のiPhone17 Proが発売され、その革新的な機能とともに大きな注目を集めているのが、ボディ素材の変更です。iPhone16 Proシリーズで採用されたチタンから、iPhone17 Proシリーズではアルミニウムへと回帰しました。この変更は、軽量化やカラーバリエーションの豊富さといったメリットをもたらす一方で、「傷つきやすいのではないか?」という懸念の声を生んでいます。

引用 : Apple HP
特にSNS上では、発売直後から「Apple Storeの展示品がすでに傷だらけ」といった報告が相次ぎ、購入を検討しているユーザーの不安を煽っています。果たして、iPhone17 Proのアルミボディは本当に脆弱なのでしょうか。素材の特性からSNSでの評判、過去モデルとの比較まで、あらゆる角度からその真実に迫ります。
衝撃の噂!Apple StoreのiPhone17 Pro展示品が早くも傷だらけ?SNSの声を調査
発売日、多くのAppleファンがストアに駆けつけ、新しいiPhone17 Proを手に取りました。しかし、その数時間後からX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで拡散され始めたのが、「展示品に傷がある」という投稿です。

引用 : Apple HP
「〇〇店のiPhone17 Pro、もうサイドフレームに引っかき傷が…」 「複数の店舗を回ったけど、たしかにナチュラルカラーのモデルは擦り傷が目立つ気がする」 「ポケットの鍵と擦れたのかな?結構深い傷が入ってる個体があった」
このような投稿には、傷が写った写真が添付されていることも多く、その信憑性を高めています。たしかに、不特定多数の人が一日中触れる展示品は、通常のユースケースよりも過酷な環境に置かれていることは間違いありません。ポケットから出し入れする際に他の持ち物と接触したり、テーブルに置く際に擦れたり、といったことが何百回、何千回と繰り返されます。
しかし、ここで冷静に考えるべきは、これがiPhone17 Proだけの特異な現象なのか、という点です。実は、新しいiPhoneが発売されるたびに、「展示品に傷がつきやすい」という話題は毎年のように浮上します。これは、多くのユーザーが新素材や新加工に対して非常に高い関心を持っており、細部まで注視していることの裏返しでもあります。チタンを採用したiPhone16 Proの時でさえ、発売当初は指紋の付着や変色が「傷のように見える」と話題になりました。
今回の騒動は、アルミニウムという素材が一般的に「チタンより柔らかい」というイメージを持たれていることも大きく影響しているでしょう。とはいえ、実際に多数の報告が上がっている以上、チタンボディだった前モデルと同じ感覚で扱うと、意図せぬ傷がついてしまう可能性は否定できません。この後のセクションで、素材そのものの違いについて詳しく掘り下げていきます。
なぜiPhone17 Proはチタンからアルミに?Appleの狙いを考察
iPhone16 Proシリーズで初めて採用されたチタンは、「強度」と「軽さ」を両立する画期的な素材として、Proモデルの高級感を象徴する存在でした。ではなぜ、Appleはわずか1年でアルミニウムに回帰したのでしょうか。これにはいくつかの理由が考えられます。
1. 製造コストと加工のしやすさ
チタンは非常に硬く、加工が難しい金属です。そのため、製造コストが高くなる傾向にあります。AppleはiPhone17 Proで、進化したA19 Proチップや次世代のカメラシステムなど、他の部分に多くのコストを投じています。全体の価格上昇を抑えつつ、これらの高性能な部品を搭載するために、ボディの素材コストを見直した可能性は十分に考えられます。アルミニウムはチタンに比べて加工が容易で、製造コストを抑えることができます。
2. 軽量化の追求
Proモデルは多機能な分、重量が増加する傾向にあります。iPhone16 Proではチタンの採用で大幅な軽量化を実現しましたが、iPhone17 Proではさらなる軽量化を目指した可能性があります。アルミニウムはチタンよりも比重が軽いため、同じ体積であればより軽く作ることができます。実際に手に取ると、iPhone17 Proは前モデルよりもさらに軽く感じられ、長時間の使用でも疲れにくいというメリットに繋がっています。
3. カラーバリエーションの展開
アルミニウムは、陽極酸化処理(アルマイト加工)によって多彩なカラーリングを実現しやすいという大きなメリットがあります。チタンの場合、美しい発色を得るための技術的なハードルが高く、カラーバリエーションが限られていました。iPhone17 Proでは、より鮮やかで多様なカラーラインナップが登場しており、これはアルミニウム素材ならではの強みを活かした戦略と言えるでしょう。ユーザーの多様な好みに応えることで、より幅広い層にアピールする狙いがあります。
これらの理由から、Appleは「傷つきやすさ」という潜在的なデメリットを許容した上で、コスト、重量、デザインの自由度といった総合的な観点からアルミニウムへの変更を決断したと推測されます。
そもそもアルミとチタンは何が違う?素材特性を徹底比較
「アルミは柔らかい」「チタンは硬い」というイメージはありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。スマートフォンというデバイスの素材として重要な観点から、両者を比較してみましょう。
特性 | アルミニウム合金 (A7000系) | チタン合金 (Ti-6Al-4V) | 解説 |
---|---|---|---|
比重(重さ) | 約 2.8 g/cm³ | 約 4.4 g/cm³ | 同じ体積ならアルミの方が約36%軽い。軽量化に大きく貢献。 |
引張強度(強さ) | 約 570 MPa | 約 900 MPa | チタン合金はアルミ合金の約1.5倍以上の強度を持つ。 |
ビッカース硬度(硬さ) | 約 150 HV | 約 350 HV | 表面の硬さを示す指標。チタンはアルミの2倍以上硬く、傷つきにくい。 |
加工性 | 非常に良い | 難しい | アルミは切削や成形が容易で、大量生産に向いている。 |
耐食性 | 良い | 非常に良い | どちらも錆びにくいが、チタンは特に海水などへの耐性が高い。 |
熱伝導率 | 高い | 低い | アルミは熱を逃しやすい。高負荷時の放熱性で有利に働く可能性がある。 |
価格 | 安価 | 高価 | 材料コスト、加工コストともにチタンの方が大幅に高い。 |
この表からもわかるように、両者には明確なトレードオフの関係があります。 アルミニウムは「軽さ」「加工のしやすさ」「放熱性」「価格」に優れています。 一方、チタンは「強度」「硬さ(傷つきにくさ)」「耐食性」でアルミニウムを圧倒します。
iPhone17 Proが採用したアルミニウムは、ただのアルミではありません。航空宇宙産業で使われる7000系のアルミニウム合金をベースに、Appleが独自に改良を加えたものと推測されます。これにより、一般的なアルミ製品よりは高い強度と硬度を実現していますが、それでも素材の基本的な特性として、チタン合金よりも柔らかいことは事実です。
硬さの指標「モース硬度」で見るアルミとチタンの差
より身近な物との比較で傷つきやすさを理解するために、「モース硬度」という指標を見てみましょう。これは、鉱物の硬さを1から10の10段階で示したもので、数値が高いほど硬いことを意味します。
- 人間の爪: 約2.5
- 銅貨(10円玉): 約3.5
- ナイフの刃、釘: 約5.5
- ガラス: 約5.5 – 6.5
- 鋼鉄のヤスリ: 約7.5
- 石英(砂の主成分): 7
- ダイヤモンド: 10
では、アルミニウムとチタンはどのあたりに位置するのでしょうか。
- 純アルミニウム: モース硬度 2-3
- 純チタン: モース硬度 6
純粋な金属で比較すると、チタンはガラスに匹敵するほどの硬さを持っているのに対し、アルミニウムは爪でなんとか傷がつくレベルの柔らかさです。 もちろん、iPhoneに使われているのは強度を高めた「合金」ですが、この基本的な序列が逆転することはありません。
日常生活でiPhoneに傷をつける最大の要因は、ポケットやバッグの中にある「砂埃」です。砂の主成分である石英はモース硬度7。これはチタン(硬度6)よりも硬いため、理論上はチタンボディであっても砂埃で傷がつく可能性があります。しかし、硬度が近いチタンに比べて、硬度2-3のアルミニウムは、より簡単に、より深く傷がついてしまう可能性が高いと言えます。鍵(硬度5.5程度)や硬い金属製のジッパーなども、アルミボディにとっては脅威となり得ます。
専門家が解説!日常生活でiPhone17 Proに傷がつくシナリオ
では、具体的にどのような状況でiPhone17 Proに傷がつきやすいのでしょうか。私がガジェット評論家として活動する中で見聞きした、よくあるシナリオをいくつかご紹介します。
シナリオ1:ポケットの中の“見えざる敵”
最も多いのが、ズボンのポケットへの無造作な出し入れです。ポケットの中には、目に見えない小さな砂粒や硬いゴミが溜まっていることがよくあります。この状態でiPhoneを出し入れすると、ヤスリで擦るのと同じことになり、ボディの側面に細かい線傷(ヘアラインスクラッチ)が無数についてしまいます。特に、鍵や小銭などを同じポケットに入れている場合は、より深い傷がつくリスクが格段に高まります。
シナリオ2:テーブルへの“スライディング着地”
カフェや職場のデスクで、iPhoneをテーブルの上に「サーッ」と滑らせるように置いていませんか?一見、滑らかに見えるテーブルの上にも、硬い微粒子が存在することがあります。この上でiPhoneを滑らせると、背面や側面の下部が擦れて傷の原因になります。特にザラザラした質感のテーブルや、屋外の石のテーブルなどは非常に危険です。
シナリオ3:バッグの中の“デスマッチ”
女性に多いのが、バッグの中にiPhoneをそのまま入れてしまうケースです。バッグの中には、化粧ポーチの金具、家の鍵、手帳のリングなど、硬いものがたくさん入っています。これらが移動中にiPhoneとぶつかり合うことで、打痕(凹み)や引っかき傷がついてしまいます。
シナリオ4:スマホリングやスタンドの“思わぬ罠”
利便性を高めるスマホリングや、動画視聴に便利なスタンド。これらのアクセサリーの中には、取り付け部分が硬い金属やプラスチックでできているものがあります。着脱を繰り返すうちに、その部分がiPhoneのボディを削ってしまい、円形や線状の傷をつけてしまうことがあります。
これらのシナリオは、チタンボディのiPhone16 Proでも起こり得ましたが、より表面が柔らかいアルミボディのiPhone17 Proでは、同じ行為でもより傷がつきやすく、目立ちやすいと考えるべきでしょう。
陽極酸化処理(アルマイト)とは?iPhone17 Proの表面加工技術
Appleは、単にアルミニウムをそのまま使っているわけではありません。表面には「陽極酸化処理(アルマイト)」と呼ばれる非常に高度な加工が施されています。これは、アルミニウムの表面に人工的に酸化皮膜を形成させる技術です。
このアルマイト処理には、主に2つの目的があります。
- 耐食性の向上: アルミニウムは本来錆びにくい金属ですが、この酸化皮膜がさらに強力なバリアとなり、腐食から本体を守ります。
- 硬度の向上と着色: 形成された酸化皮膜は、元のアルミニウムよりも硬くなります。これにより、ある程度の耐摩耗性(擦り傷への強さ)が向上します。さらに、この皮膜には微細な孔が無数にあり、そこに染料を染み込ませることで、美しいカラーリングを実現しています。iPhone17 Proの多彩なカラーバリエーションは、この技術の賜物です。
つまり、iPhone17 Proの表面は、ただのアルミではなく「アルマイト加工された硬い層」で覆われているのです。これにより、爪やプラスチックのような比較的柔らかいものでは簡単に傷はつきません。 しかし、注意すべきは、このアルマイト層も万能ではないということです。前述の通り、砂粒や硬い金属など、アルマイト層よりも硬い物質によって擦られると、皮膜そのものが削り取られて傷になります。特に、傷が深く、下地の銀色のアルミニウムが露出してしまうと、非常に目立ってしまいます。
過去モデルとの比較:アルミボディiPhoneの傷の歴史
AppleがiPhoneにアルミニウムを採用するのは、今回が初めてではありません。古くはiPhone 5から、そして近年のモデルでは、標準モデル(無印のiPhone)で一貫して採用されてきました。
- iPhone 5/5s: 角が立ったデザイン(ダイヤモンドカットエッジ)が特徴でしたが、このエッジ部分の塗装が剥げやすく、「スレート」カラーは特に傷が目立つと話題になりました。
- iPhone 6/6s: 丸みを帯びたデザインになり、エッジの剥げは改善されましたが、全体が柔らかい印象で、特に「ベンディングゲート問題(本体が曲がる問題)」が指摘されました。(iPhone 6sではより強度の高い7000系アルミを採用して改善)
- iPhone 12以降の標準モデル: 再び角張ったデザインに戻りましたが、表面処理技術の向上により、iPhone 5時代のような極端な塗装の剥げは少なくなっています。しかし、Proモデルのステンレススチールやチタンと比較すると、やはり細かい傷がつきやすいという評価が一般的です。
これらの歴史からわかることは、Appleはアルミニウムの扱いに関して長年の経験と技術の蓄積があるということです。iPhone17 Proで採用されたアルミニウムは、過去のどのモデルよりも洗練され、強度と美しさを両立したものになっているはずです。 しかし、素材としての根本的な特性は変わりません。Proモデルとして初めてアルミを採用したことで、これまでチタンの硬さに慣れていたユーザーが、過去の標準モデルと同じ「傷つきやすさ」を経験することになる、というのが今回の状況の本質と言えるでしょう。
結論:iPhone17 Proは16 Pro(チタン)より傷に注意が必要か
ここまでの検証をまとめると、答えは「イエス」です。 科学的な事実として、アルミニウム合金はチタン合金よりも柔らかく、傷つきやすい素材です。Appleがどれだけ高度な表面処理を施したとしても、素材本来の硬度の差を完全に覆すことはできません。
したがって、iPhone16 Pro(チタン)と同じようにラフに扱えば、iPhone17 Proにはより多くの、そしてより目立つ傷がつく可能性が高いと言えます。 特に、以下の点には注意が必要です。
- 落下時の打痕: 落下させてしまった場合、硬いチタンなら軽微な擦り傷で済んだかもしれない角の衝撃も、アルミでは「打痕」と呼ばれる凹んだ傷になりやすいです。
- 鍵などとの接触: ポケットやバッグの中で硬い金属と接触した場合、チタンなら耐えられたかもしれない圧力でも、アルミの表面は削れてしまう可能性があります。
- 細かい擦り傷: 日常的な使用で蓄積される細かい線傷も、アルミの方がつきやすく、光の当たり方によっては目立ちやすい場合があります。
ただし、これはiPhone17 Proが「欠陥品」だとか「もろい」ということを意味するものではありません。あくまで「チタンと比較して」という相対的な評価です。適切な保護を行えば、その美しいデザインを長く保つことは十分に可能です。次の章では、そのための具体的な方法を詳しく解説していきます。
大切なiPhone17 Proを傷から守るための完全ガイド
iPhone17 Proのアルミボディが、前モデルのチタンよりもデリケートであることは事実です。しかし、悲観する必要は全くありません。適切な知識と対策を講じることで、傷のリスクを大幅に減らし、新品同様のコンディションを長期間維持することが可能です。ここでは、私が推奨する具体的な傷対策を、ケース選びから日々のメンテナンスまで網羅的にご紹介します。

引用 : Apple HP
ケース選びが最重要!iPhone17 Proにおすすめのケース素材と形状
iPhoneを傷から守る最も効果的で確実な方法は、ケースを装着することです。しかし、どんなケースでも良いわけではありません。素材や形状によって保護性能は大きく異なります。
素材別の特徴
- シリコン: 柔らかく、衝撃吸収性に優れています。手触りが良く滑りにくいのもメリット。価格も手頃ですが、ホコリが付着しやすく、経年で黄ばんだり伸びたりすることがあります。
- TPU(熱可塑性ポリウレタン): シリコンより硬く、プラスチックより柔らかい、バランスの取れた素材。衝撃吸収性が高く、透明度も高いため、iPhone本体のデザインを活かしたい場合に人気です。黄ばみやすいのがデメリット。
- ポリカーボネート(PC): 硬いプラスチック素材で、薄くても高い強度を誇ります。透明度が高く、デザイン性に優れたケースが多いですが、衝撃吸収性はTPUに劣り、硬さゆえにケース自体に傷がつきやすいです。
- レザー(本革・PUレザー): 高級感があり、経年変化を楽しめるのが魅力。所有欲を満たしてくれますが、水濡れに弱く、価格も高め。保護性能は素材の厚みによります。
おすすめの形状
- 四隅の保護: 落下時は角から地面に衝突することが最も多いです。ケースの四隅に厚みを持たせたり、エアクッション構造を採用したりしているものは、衝撃吸収性が高く安心です。
- フチの高さ: ケースのフチが、画面や背面カメラのレンズ面よりも高くなっている設計(「フチ高設計」などと呼ばれます)を選びましょう。これにより、平らな面に置いた際に画面やカメラが直接接地するのを防ぎ、擦り傷のリスクを大幅に低減できます。
- ボタンの操作性: ケースによっては、サイドボタンやアクションボタンが押しにくくなるものもあります。ボタン部分が独立した構造になっているものや、押しやすさに配慮した設計のものを選ぶと、ストレスなく使用できます。
個人的には、保護性能とデザイン性のバランスが良いTPU素材で、四隅が補強され、フチ高設計になっているクリアケースが、まず初めに試すケースとしておすすめです。これにより、iPhone17 Proの美しいカラーを楽しみながら、しっかりと本体を保護することができます。
画面だけじゃない!背面・カメラレンズ保護フィルムの選び方
保護フィルムというと、ディスプレイに貼るものを想像しがちですが、背面やカメラレンズ専用のフィルムも存在します。ケースを着けたくない「裸族」の方や、ケースで保護しきれない部分を完璧に守りたい方には、これらのフィルムの活用が有効です。
- 背面保護フィルム: ケースを着けると厚みや重さが気になるという方は、背面フィルムを検討しましょう。マットな質感のものを選べば、指紋の付着を防ぐ効果も期待できます。ただし、側面は保護できないため、落下時の打痕などには無力です。あくまで擦り傷対策と割り切る必要があります。
- カメラレンズ保護フィルム: 近年のiPhoneはカメラの性能向上に伴い、レンズ部分が大きく突出しています。この部分は最も傷がつきやすく、ここに傷が入ると撮影品質に直接影響してしまいます。レンズ全体を覆うガラスタイプのフィルムや、レンズのフチを保護する金属製のリングなどが販売されています。画質への影響を最小限に抑えるため、透過率が高く、AR(反射防止)コーティングが施された高品質な製品を選ぶことが重要です。
ケースとカメラ保護フィルムの組み合わせが、現在のiPhoneを守る上での鉄板構成と言えるでしょう。
意外な落とし穴!傷の原因になるNGな使い方ワースト5
どれだけ良いケースやフィルムを使っていても、日常の使い方に問題があれば傷はついてしまいます。無意識にやってしまいがちな、iPhoneを傷つけるNGな使い方を5つ紹介します。
- 鍵や硬い物と一緒のポケットに入れる: これは基本中の基本ですが、最もやってしまいがちなNG行動です。アルミボディは金属同士の接触に特に弱いです。iPhoneを入れるポケットは、必ずiPhone専用にしましょう。
- アウトドアでの無防備な使用: キャンプや海水浴など、砂や小石が多い環境でiPhoneを裸で使うのは非常に危険です。特にビーチの砂は石英の粒であり、ディスプレイもボディも簡単に傷つけます。アウトドアでは、防塵・防水性能の高いケースを使用することを強く推奨します。
- 汚れた手での操作: 手に付着した細かい砂や金属粉が、iPhoneを傷つける原因になることがあります。特に工場や工事現場などでお仕事をされる方は、操作前に一度手を綺麗にするか、手袋を着用するなどの配慮が必要です。
- ケースと本体の間にゴミを放置: ケースを着けているからと安心していると、ケースとiPhone本体の間に侵入した小さなゴミや砂粒が、長期間にわたってボディを削り続け、ケースを外した時に無数の傷が…という悲劇が起こります。定期的にケースを外し、本体とケースの内側を柔らかい布で清掃する習慣をつけましょう。
- 不安定な場所への放置: 車のダッシュボードの上や、傾いたテーブルの端など、滑り落ちやすい場所にiPhoneを置くのは避けましょう。落下は、擦り傷だけでなく、画面割れや本体の破損に繋がる最も危険な行為です。
それでも傷がついてしまったら?補修方法とAppleの修理サービス
細心の注意を払っていても、不運にも傷がついてしまうことはあります。その場合の対処法を知っておきましょう。
自分でできる補修(非推奨)
インターネット上には、コンパウンド(研磨剤)や自動車用のタッチペンで傷を消す、といった情報が見つかることがあります。しかし、これらは絶対に試さないでください。 アルマイト加工された表面を素人が研磨すると、コーティングが剥がれてムラになり、かえって傷が目立ってしまいます。また、非正規の塗料を使うと、Appleの保証対象外となる可能性があります。ごく浅い擦り傷であれば、気にせず使い続けるのが最も賢明です。
Appleの修理サービス
目立つ傷や凹みができてしまい、どうしても気になる場合は、Appleの正規サービスを利用することになります。ただし、iPhoneのボディ(筐体)の傷は「外観上の損傷」と見なされ、機能に問題がない限り、保証の対象外となるのが一般的です。 修理を依頼する場合、基本的には「本体交換」という扱いになり、非常に高額な費用が発生します。例えば、AppleCare+に加入していない場合、その費用は数万円から十数万円に及ぶこともあります。
長く美しく使うための日々のメンテナンス方法
傷を防ぐだけでなく、iPhone17 Proを常に美しい状態で保つための簡単なメンテナンス方法をご紹介します。
用意するものは、マイクロファイバークロスだけです。メガネ拭きやスマートフォンのクリーニング用に市販されているもので構いません。 1日に1回、このクロスで本体全体を優しく拭き上げましょう。指紋や皮脂汚れを取り除くだけで、iPhoneの輝きは大きく変わります。 特に、スピーカーグリルやUSB-Cポート周りはホコリが溜まりやすいので、念入りに拭き取ります。アルコールを含むウェットティッシュなどを使うと、コーティングを傷める可能性があるので、基本的には乾拭きを推奨します。汚れがひどい場合は、クロスを固く絞った水拭き程度に留めましょう。 この簡単な習慣が、愛着を深め、iPhoneを長く美しく保つ秘訣です。
AppleCare+は入るべき?傷に対する保証内容を解説
高価なiPhone17 Proを購入する際、多くの人が悩むのが「AppleCare+ for iPhone」に加入すべきかどうかです。 AppleCare+は、Appleによる延長保証とテクニカルサポートを提供するサービスです。
通常の製品保証ではカバーされない「過失や事故による損傷」に対して、年に2回まで特別なサービス料金で修理(多くは本体交換)を受けられるのが最大のメリットです。 これには、画面のひび割れや水没だけでなく、落下による本体の凹みや深い傷なども含まれます。
つまり、もしiPhone17 Proを落としてしまい、ボディに大きな傷や凹みができてしまった場合でも、AppleCare+に加入していれば、比較的安価な自己負担額で新品同様の本体に交換してもらえるのです。 iPhone17 Proのアルミボディの傷つきやすさを懸念しているのであれば、この保証は非常に心強い存在となります。ケースを着けずに使いたい方や、過去にスマートフォンをよく落としてしまった経験がある方は、万が一の保険として加入を強く検討する価値があるでしょう。
iPhone17 Proユーザー必見!傷対策アクセサリー5選
最後に、私が実際に試してみて、iPhone17 Proの保護に有効だと感じたアクセサリーのジャンルを5つご紹介します。
- MagSafe対応クリアケース: ワイヤレス充電や各種MagSafeアクセサリーの利便性を損なうことなく、本体をしっかり保護できます。黄ばみにくい高品質なTPU素材や、背面が硬いポリカーボネートのハイブリッドタイプがおすすめです。
- ガラス製カメラレンズプロテクター: 突出したカメラユニットを完全にカバーし、鍵などとの接触から守ります。撮影品質に影響が出ないよう、レビュー評価の高い信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
- ストラップ・ショルダーストラップ: iPhoneにストラップホール付きのケースを装着し、ネックストラップやショルダーストラップを取り付ければ、落下のリスクを劇的に減らすことができます。特に小さなお子さんがいる方や、アウトドアで頻繁に写真撮影をする方におすすめです。
- 液体ガラスコーティング剤: これは上級者向けですが、フィルムを貼りたくない方に人気です。スマホの画面やボディに塗布することで、硬いガラス質の被膜を形成し、硬度を高めて傷や汚れをつきにくくします。ただし、効果は永続的ではなく、一度施工すると剥がすことはできません。
- 高品質なマイクロファイバークロス: 日々のメンテナンスに欠かせないアイテムです。複数枚用意しておき、常に綺麗な状態で使えるようにしておくと良いでしょう。
これらのアクセサリーを賢く活用することで、iPhone17 Proの傷に対する不安は、ほぼ解消できるはずです。
まとめ
今回は、iPhone17 Proのアルミボディが傷つきやすいという噂について、素材の特性から具体的な対策まで、徹底的に掘り下げてきました。
結論として、iPhone17 Proのアルミニウムボディは、前モデルであるiPhone16 Proのチタンボディと比較して、物理的に傷がつきやすいのは事実です。これは素材の硬度の違いによるもので、避けられない特性です。SNSや店頭で報告されている傷は、この特性を裏付けるものと言えるでしょう。
しかし、Appleがアルミニウムを選択したのには、軽量化、コスト、そして美しいカラーバリエーションの実現という明確なメリットがあったことも忘れてはなりません。アルミニウムボディは決して劣った素材ではなく、異なる価値を提供するものなのです。
重要なのは、この素材の特性を正しく理解し、ご自身の使い方に合った適切な保護対策を講じることです。
- 傷が絶対に嫌な方、アクティブな環境で使う方: 迷わず高品質なケースと保護フィルムを装着しましょう。特に四隅の保護とフチの高さは重要なチェックポイントです。
- デザインを最大限楽しみたい方: ケースを着けない、いわゆる「裸族」で運用したいのであれば、AppleCare+への加入を強く推奨します。万が一の際の安心感が全く違います。
- すべての方へ: ポケットの中身を整理する、テーブルに優しく置く、定期的に清掃するといった、少しの心がけが、あなたのiPhone17 Proを長く美しく保ちます。
素材の変更に一喜一憂するのではなく、その特性を受け入れ、賢く付き合っていく。それこそが、最新のテクノロジーを最大限に楽しむための秘訣だと私は考えています。この記事が、あなたのiPhone17 Proとの素晴らしい付き合いの一助となれば幸いです。