当ページにはプロモーションが含まれる場合があります

Apple

【残クレiPhone】2年返却システムは得なのか|メリットとデメリットを解説

ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、キャリアの「2年後にiPhoneを返却する購入プログラム」、いわゆる残クレが本当に得なのか気になっていると思います。私も実際にこのプログラムを利用した経験があるので、その仕組みやメリット・デメリットが気になる気持ちはよくわかります。

一見すると月々の支払いが安くなり、非常にお得に感じられますが、その裏には知っておくべき注意点も存在します。

この記事を読み終える頃には、残クレiPhoneの全てが分かり、あなたにとって最適なiPhoneの購入方法が明確になっているはずです。

記事のポイント
  • 残クレiPhoneの仕組みとメリット・デメリット
  • 一括購入と格安SIM運用との徹底的な料金比較
  • 残クレ利用が向いている人とそうでない人の特徴
  • 後悔しないための賢いiPhone購入方法の最終結論
超厳選!iPhone17と一緒に買うべきでおすすめのアクセサリ15選【ジャーナリスト監修】この記事では、ガジェットジャーナリストが厳選したiPhone17用の性能を最大限に引き出すための最高のアクセサリーを多数紹介しています。...

【結論】残クレiPhoneは「使い方」次第!賢く見極めるのが重要

早速結論からお伝えしますが、キャリアが提供する「残クレiPhone(2年返却プログラム)」は、「2年ごとに新しいiPhoneに買い替える」という使い方をする人にとっては、非常に魅力的な選択肢となり得ます。しかし、それ以外の人、特に「一つの端末を長く大切に使いたい」「トータルコストを1円でも安く抑えたい」と考える人にとっては、必ずしも最適な方法とは言えません。

引用 : IT Media HP

このプログラムは、車の購入方法でよく知られる「残価設定クレジット」と非常によく似た仕組みです。高価なiPhoneを、より手軽に、少ない月々の負担で利用できるように設計されています。しかし、その手軽さの裏側にある「所有権がない」「返却時の条件」といったデメリットを正確に理解しないまま契約すると、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性も十分にあります。

このセクションでは、まず残クレiPhoneの基本的な仕組みから、そのメリットとデメリット、そしてキャリアがなぜこのようなプログラムを提供するのかという背景まで、徹底的に掘り下げて解説していきます。この基本を理解することが、あなたにとって最適な選択をするための第一歩となります。

残クレiPhoneとは?仕組みを分かりやすく解説

まず、「残クレiPhone」とは一体何なのか、その仕組みから見ていきましょう。これは各キャリアが提供するスマートフォン購入プログラムの通称で、正式名称はキャリアごとに異なります。

  • NTTドコモ: いつでもカエドキプログラム
  • au: スマホトクするプログラム
  • ソフトバンク: 新トクするサポート
  • 楽天モバイル: 楽天モバイル買い替え超トクプログラム

名称は違えど、基本的な考え方は共通しています。それは、**「端末の価格を48回などの長期分割払いに設定し、約2年(25ヶ月目など)のタイミングで端末をキャリアに返却すれば、それ以降の残りの分割支払金(残債)が免除される」**というものです。

例えば、18万円のiPhoneを48回払いで購入したとします。単純計算で月々の支払いは3,750円です。このプログラムを利用し、25ヶ月目にそのiPhoneを返却すると、残りの23回分(約8.6万円)の支払いが不要になる、というイメージです。

これにより、ユーザーは本来の半額程度の負担で、2年間そのiPhoneを利用できることになります。これが「実質半額」や「実質〇〇円」といった魅力的なキャッチコピーの正体です。

なぜキャリアはこのプログラムを提供するのか?

キャリアがこぞってこの仕組みを導入するのには、明確な理由があります。

  1. 顧客の囲い込み: 2年後に端末を返却し、残債免除の特典を受けるためには、多くの場合、そのキャリアで次の機種を購入することが前提となります。これにより、ユーザーを自社サービスに長期間留め、他社への流出を防ぐ「囲い込み戦略」が成り立ちます。
  2. 高額端末の販売促進: 近年のiPhoneは非常に高価になり、一括購入のハードルが上がっています。月々の支払いを安く見せることで、ユーザーの心理的な負担を軽減し、最新のハイエンドモデルを購入しやすくする狙いがあります。
  3. 中古端末市場の形成: ユーザーから回収した状態の良いiPhoneは、「認定中古品(Certified Pre-Owned)」として整備され、再度販売されます。これにより、キャリアは新たな収益源を確保できるのです。

このように、残クレプログラムはユーザー、キャリア双方にメリットがあるように見えますが、その恩恵を最大限に受けるためには、メリットとデメリットを両天秤にかけて慎重に判断する必要があります。

メリット①:月々の支払いを大幅に抑えられる

残クレiPhoneの最大のメリットは、何と言っても月々の金銭的負担を劇的に軽減できる点です。

例えば、Apple Storeでの販売価格が179,800円の「iPhone 15 Pro (128GB)」を例に考えてみましょう。

購入方法 総額 支払回数 月々の支払い(概算)
一括購入 179,800円 1回 179,800円
通常の24回分割 179,800円 24回 約7,492円
残クレ利用(2年返却) 実質 約90,000円 24回 (48回中) 約3,750円

※上記は簡略化した計算例です。実際の金額はキャリアの価格設定やプログラム内容により変動します。

このように、残クレを利用すれば、通常の分割払いのさらに半額程度の月額負担で最新のiPhoneを持つことが可能になります。一括での大きな出費を避けたい方や、毎月のキャッシュフローを重視する方にとって、これは非常に大きな魅力と言えるでしょう。

メリット②:常に最新モデルに近いiPhoneを使える

2年ごとに端末を返却し、新しいモデルに乗り換えることを前提としたこのプログラムは、常に時代の最先端を行く性能や機能を体験したいガジェット好きに最適です。

iPhoneの進化は日進月歩です。カメラ性能の向上、プロセッサーの高速化、新しい便利機能の追加など、2年も経てばその性能は大きく向上します。4年、5年と同じ端末を使い続けると、最新のアプリが重く感じられたり、OSアップデートの対象外になったりすることもあります。

残クレプログラムをサイクルとして利用すれば、常に快適なパフォーマンスが保証された比較的新しいモデルを使い続けることができます。これは、単に新しいもの好きというだけでなく、スマートフォンを仕事道具として活用し、常に最高のパフォーマンスを求めるビジネスパーソンにとっても合理的な選択と言えるかもしれません。

デメリット①:端末は自分のものにならない「レンタル」感覚

このプログラムを検討する上で、最も理解しておくべき重要な点が、**「端末の所有権は自分にはない」**ということです。正確には、分割払いが完了するまではキャリアが所有権を留保し、2年で返却するということは、最終的に所有権がユーザーに移転しないことを意味します。

感覚としては「レンタル」に近いです。そのため、以下のような制約が伴います。

  • 売却・譲渡ができない: 自分の所有物ではないため、不要になったからといって中古ショップに売ったり、家族や友人に譲ったりすることはできません。
  • カスタマイズの制限: 本体にステッカーを貼ったり、改造したりといった自由な使い方は推奨されません。返却時の査定に影響する可能性があるからです。

「自分のモノとして所有し、愛着を持って長く使いたい」という価値観を持つ方には、この「借り物」という感覚が馴染まないかもしれません。

デメリット②:返却時の査定が厳しい場合がある

「2年使ったら、ただ返せば残債がチャラになる」というわけではありません。返却時にはキャリアによる査定があり、一定の基準を満たしていない場合は、追加の支払いが発生するリスクがあります。

一般的に、査定で問題となるのは以下のようなケースです。

  • 画面のひび割れ、重度の傷
  • カメラやボタンなど、機能上の不具合
  • 電源が入らない
  • 本体の変形や破損
  • 改造されている

これらの条件に該当した場合、「故障時利用料」などとして、多くのキャリアで22,000円(不課税)の支払いが求められます。つまり、「実質〇〇円」だと思って使っていたのに、最後の最後で予期せぬ出費が発生する可能性があるのです。

このリスクを回避するためには、購入直後から高品質な保護フィルムやケースを使用し、日常的に細心の注意を払ってiPhoneを扱う必要があります。この「常に気を遣わなければならない」という精神的な負担をデメリットと感じる人も少なくないでしょう。

デメリット③:2年以上使い続けると割高になる

このプログラムは、あくまで「2年での返却」を前提に最もお得になるよう設計されています。もし、2年が経過してもそのiPhoneが気に入っていて、「もう少し使い続けたい」と思った場合、25ヶ月目以降も分割支払いを継続することになります。

その場合、それまで免除されるはずだった「残価」の部分の支払いが始まるため、月々の端末代金が急に跳ね上がることがあります。

結局48回すべてを支払い終えれば、端末は自分のものになります。しかし、その場合の総支払額は、次に解説する「Apple Storeでの購入価格」よりも高額になっているケースがほとんどです。同じ端末を長く使うのであれば、最初から別の方法で購入した方が賢明と言えます。

デメリット④:総支払額で見るとApple Storeより高い

ユーザーが見落としがちな、しかし非常に重要な事実があります。それは、そもそもキャリアが販売しているiPhoneの本体価格は、Apple Storeの直販価格(定価)よりも高く設定されているということです。

キャリアは「大幅割引」「実質〇〇円」といった言葉でアピールしますが、その割引の元となる価格が、いわば”上乗せされた価格”なのです。

例えば、あるモデルのiPhoneが、

  • Apple Store価格: 150,000円
  • キャリア設定価格: 170,000円

だったとします。キャリアがこの17万円の端末を残クレで「実質半額の85,000円で使えます!」と宣伝していても、冷静に考えれば、定価15万円のものを2年間使うために8.5万円を支払っていることになります。

この「定価の差」を認識せずに、キャリアの提示する「割引額」や「実質負担額」だけを見て判断してしまうと、本質的なお得度を見誤ることになります。

【徹底比較】残クレiPhone vs Apple Store一括購入+格安SIM 結局どちらが得?

さて、残クレiPhoneの仕組みを理解したところで、多くの人が最も知りたいであろう核心的な問いにお答えします。それは**「キャリアで残クレiPhoneを使うのと、Apple StoreでSIMフリー版を一括購入して格安SIMで運用するのとでは、2年間でどちらがどれだけお得なのか?」**という問題です。

引用 : Apple HP

ここでは、具体的なモデルと料金プランを想定して、2年間の総支払額と、さらにその先の「実質的な負担額」までをシミュレーションし、徹底的に比較検討していきます。この比較を見れば、あなたにとっての最適解が自ずと見えてくるはずです。

シミュレーションの前提条件

公平に比較するため、以下の条件を設定します。

  • 比較モデル: iPhone 15 (128GB)
  • 比較期間: 2年間 (24ヶ月)
  • パターンA (残クレ):
    • 大手キャリアで残クレプログラムを利用して購入
    • 端末価格: 149,490円(某キャリアのオンライン価格例)
    • 25ヶ月目に返却し、残価(75,240円)の支払いを免除
    • 通信プラン: データ無制限プラン 月額7,238円
  • パターンB (一括+格安SIM):
    • Apple StoreでSIMフリー版を一括購入
    • 端末価格: 124,800円
    • 通信プラン: 格安SIM(MVNO)データ20GBプラン 月額2,000円

※事務手数料などの初期費用は、比較を簡潔にするため一旦除外して計算します。

パターンA:キャリアで残クレiPhoneを利用した場合の総額

まずは、大手キャリアで残クレを利用した場合の2年間の総コストを計算してみましょう。

項目 計算式 金額
端末代金(2年間分) (149,490円 – 75,240円) 74,250円
通信料金(2年間分) 7,238円 × 24ヶ月 173,712円
2年間の総支払額 74,250円 + 173,712円 247,962円

このプランでは、2年間で約24.8万円を支払うことになります。端末は2年後に返却するため、手元には残りません。

パターンB:Apple Storeで一括購入+格安SIMを利用した場合の総額

次に、Apple Storeで一括購入し、格安SIMで運用した場合の2年間の総コストです。

項目 計算式 金額
端末代金(一括) 124,800円 124,800円
通信料金(2年間分) 2,000円 × 24ヶ月 48,000円
2年間の総支払額 124,800円 + 48,000円 172,800円

このプランでは、2年間の総支払額は約17.3万円。この時点で、パターンAよりも約7.5万円も安いことがわかります。そして重要なのは、このプランでは2年後もiPhoneが自分のものとして手元に残るという点です。

2年後の「価値」を考慮した実質負担額の最終比較

ここからが、このレビューの最も重要なポイントです。パターンBでは手元に残ったiPhoneを売却することができます。iPhoneは、中古市場でも価値が下がりにくい**「リセールバリュー」が非常に高い**製品として知られています。

仮に、2年使用したiPhone 15 (128GB)が、購入価格の60%で売却できたとしましょう。

  • 売却価格の想定: 124,800円 × 60% = 74,880円

この売却価格を、パターンBの総支払額から差し引いて、「実質的な負担額」を算出します。

  • パターンBの実質負担額: 172,800円 (総支払額) – 74,880円 (売却額) = 97,920円

それでは、両者の2年間の実質負担額を最終比較してみましょう。

パターンA (残クレ) パターンB (一括+格安SIM)
2年間の実質負担額 247,962円 97,920円
差額 150,042円お得

結果は一目瞭然です。今回のシミュレーションでは、Apple Storeで一括購入し、格安SIMで2年間運用した後に売却する方が、キャリアの残クレを利用するよりも、実に15万円以上もお得になるという結論が出ました。

もちろん、これはあくまで一例です。選択する通信プランや、2年後の売却価格によって差額は変動します。しかし、このシミュレーションは、キャリアの「実質〇〇円」という言葉だけでは見えてこない、トータルコストの大きな違いを明確に示しています。

キャリアショップの「頭金」や「オプション」の罠に注意

さらに、キャリアの実店舗で契約する際には、さらなる注意点が存在します。それが「頭金」や不要な「オプション」です。

情報番組などでも問題提起されていますが、一部のキャリアショップ(特に代理店が運営する店舗)では、「頭金」という名目で1万円~2万円程度の独自の手数料を上乗せしている場合があります。これは本来の頭金(代金の一部前払い)とは全く異なり、純粋な店舗の利益となるものです。この頭金は、キャリアのオンラインショップで手続きすれば発生しません。

また、契約時に「今なら無料なので」「こちらの加入が割引の条件で」といった口実で、動画配信サービスやセキュリティソフトなど、不要なオプションへの加入を勧められるケースも後を絶ちません。無料期間中に解約し忘れると、月々の支払いが膨らんでしまいます。

こうした店舗独自の費用や不要なオプションを考慮に入れると、残クレiPhoneの実質的な負担はさらに大きくなる可能性があるのです。

Apple Storeでの分割払いという「第3の選択肢」

「一括で10数万円を支払うのは厳しい。でも、トータルコストが高いキャリアの残クレは避けたい…」

そう考える方に、ぜひ知っておいてほしいのが**「Apple Storeでの金利0%分割払い」**という第3の選択肢です。Appleは提携するサービス(ペイディあと払いプランApple専用)を通じて、最大36回までの金利手数料0円での分割購入を提供しています。

これを利用すれば、

  • 端末は割高なキャリア価格ではなく、Apple Storeの定価で購入できる
  • 支払いは月々の分割にできる
  • 端末はSIMフリーなので、好きな格安SIMと組み合わせられる
  • 2年後も端末は自分のものなので、売却も継続利用も自由

という、まさに「いいとこ取り」が実現します。初期費用を抑えつつ、トータルコストも最小限にしたいと考えるなら、この「Apple Storeでの分割購入 + 格安SIM」が、現時点での最適解と言えるでしょう。

【賢い選択】残クレiPhoneに関するQ&Aと深掘り解説

ここまでで、残クレiPhoneの基本的な仕組みと、他の購入方法とのコスト比較についてはご理解いただけたかと思います。しかし、実際に選択するとなると、さらに細かい疑問や不安が出てくるものです。

引用 : docomoHP

このセクションでは、より一歩踏み込んで、「残クレが逆にお得になるケースはあるのか?」「返却時の査定を無事にクリアするコツは?」「中古という選択肢は?」といった、多くの人が抱くであろう疑問にQ&A形式でお答えしていきます。

Q1. 残クレが「お得」になる稀なケースとは?

A1. はい、ごく一部ですが、残クレの方が合理的となるケースも存在します。

  1. リセールバリューが低いAndroid端末の場合: iPhoneと異なり、多くのAndroidスマートフォンは中古市場での価格下落が激しい傾向にあります。2年後の売却価格がほとんど期待できないような機種であれば、あらかじめ残価が保証されているキャリアのプログラムを利用した方が、結果的に安く済む可能性があります。
  2. キャリアの乗り換え(MNP)キャンペーンが強力な場合: 他社からの乗り換えを条件に、「端末代金2.2万円引き」などの強力な割引キャンペーンが適用されることがあります。これらの割引を適用した上で、さらに残クレプログラムを利用すると、Apple Storeで購入するよりも実質負担額が低くなる逆転現象が起こることもあります。ただし、通信料金の高さも考慮してトータルで判断する必要があります。
  3. 法人契約で経費処理を簡略化したい場合: 法人として多数のスマートフォンを契約する場合、2年ごとに経費として計上し、資産管理の手間を省くという観点から、レンタルに近い残クレプログラムが選ばれることがあります。

Q2. 返却時の査定をクリアするためのiPhone使用術は?

A2. 追加料金のリスクを避けるためには、日頃からの丁寧な扱いが不可欠です。

  • 購入直後に高品質な保護ガラスとケースを装着する: これは必須です。特に画面は最も傷つきやすく、修理費用も高額です。ガラスフィルムは、全面を保護できるタイプを選びましょう。ケースは、四隅の衝撃を吸収できる耐衝撃性の高いものがおすすめです。
  • 水濡れを徹底的に避ける: 近年のiPhoneは耐水性能がありますが、これはあくまで「真水」に対する性能であり、お風呂やプール、海での使用は推奨されていません。水没判定を受けると、査定で確実にNGとなります。
  • ポケットの中身に注意: 鍵や硬貨など、硬いものと一緒のポケットにiPhoneを入れると、ディスプレイや本体に細かい傷がつく原因になります。iPhone専用のポケットを決めるか、バッグに入れて持ち運ぶ習慣をつけましょう。
  • 定期的な清掃: 充電ポートやスピーカーの穴にホコリが溜まると、機能不全の原因となります。柔らかいブラシなどで定期的に清掃することで、良好なコンディションを保てます。

Q3. 1年で返却するプログラム(ソフトバンクなど)はどう?

A3. ソフトバンクの「新トクするサポート(プレミアム)」のように、13ヶ月目に返却することで残りの36回分の支払いが不要になる、というさらに短期のプログラムも存在します。

  • メリット: 毎年発表される最新・最高のiPhoneを、常に使い続けることができます。
  • デメリット: 年間のコスト負担は非常に大きくなります。また、1年ごとにデータ移行や端末の再設定を行う手間もかかります。

この1年レンタルプランは、コストよりも「常に最新であること」に最高の価値を見出す、ごく一部のガジェットマニアやレビューアー向けの特殊なプランと考えるのが妥当でしょう。一般的なユーザーには、コストパフォーマンスの面でおすすめしにくいのが実情です。

Q4. 端末返却後のデータ移行と初期化で気をつけることは?

A4. 個人情報の塊であるスマートフォンを返却する際は、適切な手順でデータを移行し、完全に消去することが極めて重要です。

  1. 新しいiPhoneへデータを移行する: 新旧のiPhoneを隣に置くだけでデータが転送できる「クイックスタート」が最も簡単で確実です。iCloudやPCのiTunesでバックアップを取っておくとなお安心です。
  2. 「iPhoneを探す」をオフにする: [設定] → [自分の名前] → [探す] → [iPhoneを探す] をオフにします。これを忘れると、次の人がアクティベーションできなくなります。
  3. Apple IDからサインアウトする: [設定] → [自分の名前] の一番下にある [サインアウト] をタップします。
  4. すべてのコンテンツと設定を消去(初期化): [設定] → [一般] → [転送またはiPhoneをリセット] → [すべてのコンテンツと設定を消去] を実行します。

この4つのステップを確実に行うことで、個人情報を保護し、スムーズに端末を返却することができます。

まとめ

さて、ここまで「残クレiPhone」について、その仕組みからメリット・デメリット、そして他の購入方法との徹底比較まで、多角的に掘り下げてきました。非常に長いレビューとなりましたが、最後にこの記事の要点をまとめ、あなたがどうするべきかの最終的な指針を示したいと思います。

【残クレiPhone(2年返却)が向いている人】

  • 初期費用をかけず、月々の支払いを安く抑えたい人
  • 常に新しいiPhoneを使っていたい、2年以上同じ機種を使うつもりがない人
  • データ移行や各種設定に不安があり、キャリアショップの手厚いサポートを受けたい人
  • 端末を丁寧に扱い、傷や故障のリスク管理に自信がある人

【Apple Store購入+格安SIMが向いている人】

  • 2年間、あるいはそれ以上のトータルコストを最も安くしたい人(最重要)
  • 一つのiPhoneを自分の所有物として、愛着を持って長く使いたい人
  • 通信キャリアを自由に選びたい、SIMフリーの恩恵を受けたい人
  • 端末の売却なども含め、自分で最も合理的な運用方法を考え、実行できる人

結論として、ほとんどのユーザーにとって、長期的な視点で見ると「Apple Store(分割or一括)でSIMフリー版を購入し、自身のデータ使用量に合った格安SIMを契約する」という方法が、最も経済的で自由度の高い選択となります。キャリアが提示する「実質〇〇円」という言葉の裏側にある、本体価格の上乗せや通信料金の高さを冷静に計算すれば、その差は歴然です。

一方で、残クレプログラムも、2年というサイクルで常に新しい体験を求める特定のライフスタイルの人にとっては、便利な「サブスクリプションサービス」のような価値を持つことも事実です。

重要なのは、どちらか一方が絶対的に正しく、もう一方が間違っているということではありません。あなた自身の価値観、スマートフォンの使い方、そして予算を総合的に考慮し、「自分にとって最適な選択は何か」を見極めることです。

今回のレビューが、あなたが後悔のないiPhone選びをするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。