当ページにはプロモーションが含まれる場合があります

Apple

iPhoneのバッテリーの交換の目安|確認すべき項目を解説【ジャーナリスト徹底監修】

ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、iPhoneのバッテリー交換のタイミングや、中古iPhoneのバッテリー状態について気になっていると思います。

私も長年多くのApple製品を使い、中古端末を家族に勧めたり自分用に購入したりする中で、バッテリーの状態には特に注意を払ってきました。最近のモバイルバッテリーの発火事故のニュースを見れば、その不安な気持ちはよくわかります。

引用 : Apple HP

この記事を読み終える頃には、あなたのiPhoneバッテリーに関する疑問が解決し、安心してiPhoneを使い続けたり、賢く中古iPhoneを選んだりできるようになっているはずです。

記事のポイント
  • バッテリー交換は最大容量80%が公式目安
  • 交換サインは最大容量の数字以外にも多数存在
  • 中古iPhone購入時はバッテリー以外の確認も必須
  • バッテリーを長持ちさせるには日々の使い方が重要
超厳選!iPhone17と一緒に買うべきでおすすめのアクセサリ15選【ジャーナリスト監修】この記事では、ガジェットジャーナリストが厳選したiPhone17用の性能を最大限に引き出すための最高のアクセサリーを多数紹介しています。...

Contents
  1. iPhoneのバッテリー交換の目安は「最大容量80%」がApple公式見解
  2. 中古iPhoneのバッテリー選びで失敗しないための重要チェックポイント
  3. iPhoneのバッテリー寿命を最大限に延ばすためのテクニック
  4. まとめ

iPhoneのバッテリー交換の目安は「最大容量80%」がApple公式見解

iPhoneを快適に使い続ける上で、最も重要なパーツの一つがバッテリーです。しかし、バッテリーは消耗品であり、使えば使うほど劣化は避けられません。「一体いつ交換すればいいのか?」という疑問に対して、Appleは明確な基準を提示しています。まずは、この公式見解を正しく理解することが、すべての基本となります。

引用 : Apple HP

なぜ最大容量80%が目安なのか?Appleの設計思想を理解する

Appleの公式発表によると、「フル充電サイクルを500回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されている」とされています。これが、バッテリー交換の目安が「最大容量80%」と言われる最大の根拠です。

では、「フル充電サイクル」とは何でしょうか。これは、合計で100%分のバッテリーを充電・使用した時点で1回とカウントされます。例えば、バッテリー残量が75%の状態で100%まで充電(25%分)し、翌日に残量25%の状態で100%まで充電(75%分)した場合、2日間で合計100%分を充電したことになるため、「1サイクル」とカウントされます。毎日0%から100%まで充電しなくても、日々の使用でサイクルは積み重なっていくのです。

この500サイクルという回数は、多くのユーザーが約2年〜3年で到達する平均的な数値です。つまり、Appleは一般的なスマートフォンの買い替えサイクルも考慮した上で、80%という基準を設定していると考えられます。最大容量が80%を下回ると、後述するような様々な不便な症状が現れ始め、ユーザー体験が著しく損なわれる可能性が高まるため、この数値が交換の「潮時」とされているのです。

最重要!「バッテリーの最大容量」の確認方法を画像付きで解説

ご自身のiPhoneのバッテリーが今どのような状態にあるのか、誰でも簡単に確認することができます。中古のiPhoneを購入する際にも必ずチェックすべき項目ですので、この手順は必ず覚えておきましょう。

確認手順

  1. iPhoneのホーム画面から「設定」アプリを開きます。
  2. 画面を下にスクロールし、「バッテリー」という項目をタップします。
  3. 次の画面で「バッテリーの状態と充電」をタップします。
  4. 一番上に表示される「最大容量」の横のパーセンテージを確認します。

この「最大容量」は、新品時を100%とした場合に、現在のバッテリーが蓄えられる充電量の相対的な値を示しています。この数値が低ければ低いほど、バッテリーが劣化していることを意味します。例えば、最大容量が85%の場合、フル充電しても新品時の85%分の電力しか蓄えられないため、単純計算でバッテリーの持続時間も短くなります。

80%未満で起こるiPhoneの具体的な症状とは?

最大容量が80%を切ってくると、単に「充電の減りが早い」だけでは済まない、様々なパフォーマンス上の問題が発生し始めます。これは、劣化したバッテリーが必要な電力を安定して供給できなくなるために、iPhone自身が予期せぬシャットダウンを防ぐためにパフォーマンスを意図的に抑制する「パフォーマンス管理機能」が作動するためです。

引用 : Apple HP

具体的には、以下のような症状が現れることがあります。

  • アプリの起動が遅くなる: ホーム画面でアプリアイコンをタップしてから、実際にアプリが使えるようになるまでの時間が長くなります。
  • スクロールがカクつく: WebサイトやSNSのタイムラインをスクロールする際に、滑らかさがなくなり、引っかかるような動きになります。
  • 画面のバックライトが暗くなる: 設定で明るさを最大にしても、以前より画面が暗く感じられることがあります。
  • スピーカーの音量が小さくなる: 最大音量が以前よりも低くなることがあります。
  • カメラのフラッシュが使用できなくなる(無効になる): バッテリー残量が十分あっても、フラッシュ撮影ができない場合があります。
  • バックグラウンドで更新されるアプリの再読み込みが必要になる: 一度閉じたアプリを再度開いた際に、最初から読み込み直す頻度が増えます。
  • 突然シャットダウンする: 最も深刻な症状がこれです。バッテリー残量が表示上はまだ残っているにもかかわらず、高負荷な処理(ゲーム、動画撮影など)を行った際に突然電源が落ちてしまうことがあります。

これらの症状に心当たりがある場合、あなたのiPhoneはバッテリー交換を強く求めているサインと言えるでしょう。

放置は危険!「サービス」表示の意味とリスク

「バッテリーの状態と充電」の画面で、「最大容量」の下に「サービス」という表示が出ることがあります。これは、バッテリーが著しく劣化しており、交換が必要であることをiPhoneがユーザーに通知している状態です。

このメッセージが表示された場合、お使いのiPhoneはすでにパフォーマンスが低下している可能性が非常に高いです。この状態を放置し続けると、前述した突然のシャットダウンが頻繁に起こるようになったり、最悪の場合、バッテリーが内部で膨張し、画面を押し上げてしまったり、本体にダメージを与えたりするリスクもゼロではありません。

「サービス」表示は、iPhoneからの最後の警告と捉え、速やかにバッテリー交換を検討すべきです。

経過年数(使用期間)は交換の目安になるか?

「買ってから2年経ったから交換」というように、経過年数で交換時期を判断する方もいますが、これはあくまで参考指標と考えるべきです。なぜなら、iPhoneの使い方によってバッテリーの劣化速度は大きく異なるからです。

例えば、

  • 毎日長時間ゲームや動画視聴をするヘビーユーザー
  • 通話とメールが中心のライトユーザー

この両者では、同じ2年間でもフル充電サイクルは全く異なります。ヘビーユーザーであれば1年半で最大容量が80%近くまで低下することもありますし、ライトユーザーであれば3年以上使っても90%以上を維持しているケースも珍しくありません。

したがって、「〇年使ったから」という理由だけで交換を決めるのではなく、必ず「設定」から確認できる「最大容量」の数値を正しく評価することが最も重要です.

バッテリー交換費用はいくら?モデル別料金一覧表

バッテリー交換を決意した際に気になるのが、その費用です。料金はモデルによって異なり、またApple Store(正規サービスプロバイダ)で交換するか、非正規の修理店で交換するかによっても変わってきます。

以下は、Apple Storeでのバッテリー交換料金の目安です。(2025年9月時点の税込価格)

モデルシリーズ 保証対象外のバッテリーサービス料金
iPhone 15 シリーズ ¥15,800
iPhone 14 シリーズ ¥15,800
iPhone 13 シリーズ ¥14,500
iPhone 12 シリーズ ¥14,500
iPhone 11 シリーズ ¥14,500
iPhone X, XS, XR シリーズ ¥14,500
iPhone SE (第2, 3世代) ¥11,200

※最新の正確な料金は必ずAppleの公式サイトでご確認ください。

AppleCare+に加入している場合、バッテリーの最大容量が80%未満に低下していれば、保証期間内は無償でバッテリーを交換できます。

交換はどこですべき?正規店と非正規店のメリット・デメリット

バッテリー交換の選択肢は、大きく分けて「Apple正規サービスプロバイダ」と「非正規の修理店(街の修理屋さん)」の2つです。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて選ぶことが大切です。

Apple正規サービスプロバイダ(Apple Store、正規修理店)

  • メリット:
    • 純正部品: 100%Apple純正のバッテリーに交換されるため、品質と安全性が最も高い。
    • 技術力: Appleのトレーニングを受けた技術者が修理を行うため、作業の信頼性が高い。
    • 保証の維持: 修理後もAppleの製品保証が継続される(保証期間内であれば)。
    • 「最大容量」表示の正常化: 交換後、バッテリーの最大容量が100%と正しく表示される。
  • デメリット:
    • 費用: 非正規店に比べて料金が高めになる傾向がある。
    • 時間: 予約が必要な場合が多く、即日対応が難しいこともある。データは事前にバックアップしておく必要がある(初期化される可能性があるため)。

非正規の修理店

  • メリット:
    • 費用: 正規店よりも安価に交換できることが多い。
    • スピード: 予約なしで持ち込んでも、即日で修理が完了することが多い。データもそのままで修理してくれる店舗が多い。
  • デメリット:
    • 部品の品質: 使用されるバッテリーは純正品ではない(互換品)。品質にばらつきがあり、中には粗悪品も存在する。
    • 技術レベルのばらつき: 店舗によって技術者のスキルに差がある。
    • Appleの保証対象外に: 一度でも非正規店で分解・修理を行うと、以降Appleの公式保証やサポートが一切受けられなくなる。
    • 「最大容量」の非表示: iOSのバージョンによっては、交換後にバッテリーの最大容量が表示されなくなったり、「不明な部品」という警告が出たりすることがある。
    • 安全性への懸念: 技術不足や粗悪なバッテリーが原因で、発熱や発火などのトラブルにつながるリスクが正規店より高い。

個人的には、特に長く使い続ける予定の端末であれば、多少費用が高くても安心と安全性を優先し、Apple正規サービスプロバイダでの交換を強く推奨します。

中古iPhoneのバッテリー選びで失敗しないための重要チェックポイント

新品のiPhoneは高価なため、中古での購入を検討する方は非常に多いです。私も状態の良い中古品を見つけて家族に勧めたり、サブ機として購入したりすることがよくあります。しかし、中古市場は玉石混交。特にバッテリーの状態は、その後の満足度を大きく左右する最重要項目です。ここでは、中古iPhoneのバッテリー選びで後悔しないためのポイントを、プロの視点から徹底解説します。

引用 : Apple HP

中古iPhone購入時、バッテリー最大容量は何%以上を選ぶべきか

結論から言うと、最低でも85%以上、できれば90%以上の個体を選ぶのが理想です。

85%を下回る個体は、購入後すぐにバッテリーの減りの速さを感じる可能性が高く、数ヶ月から1年以内にバッテリー交換が必要になるかもしれません。そうなると、せっかく本体を安く手に入れても、結局バッテリー交換費用(約1万円〜1.5万円)が追加でかかってしまい、トータルの出費で損をしてしまう可能性があります。

特に、イオシスやじゃんぱらといった信頼できる大手中古販売店では、各個体のバッテリー最大容量を明記して販売していることが多いです。オンラインで購入する場合でも、商品説明欄を必ず確認しましょう。店舗に足を運べるのであれば、店員さんにお願いして、実際に「設定」画面から最大容量を確認させてもらうのが最も確実です。

「バッテリー交換済み」の中古品は本当にお得?潜む罠を解説

中古市場には、「バッテリー新品交換済み」と謳われている商品があります。これは一見すると非常にお得に感じられますが、注意が必要です。問題は**「どこで、どのバッテリーに交換されたか」**です。

  • 正規店で交換された場合: これは非常に価値が高いです。Apple純正の新品バッテリーが搭載されているため、安心して長期間使用できます。
  • 非正規店で交換された(販売店が独自に交換した)場合: こちらが大多数です。この場合、搭載されているのは純正品ではない互換バッテリーです。品質はピンキリで、中にはすぐに劣化するものや、不安定な動作をするものも含まれています。また、前述の通り、交換後に「最大容量」が表示されなかったり、「不明な部品」という警告が表示されたりするリスクがあります。

「バッテリー交換済み」という言葉だけに惹かれるのではなく、その交換が正規のサービスによるものか、それとも非正規のサービスによるものかを確認することが重要です。不明な場合は、互換バッテリーに交換されている可能性が高いと判断し、購入は慎重に検討すべきです。

最近のバッテリー発火事故とリチウムイオン電池の安全性

先日も山手線内でモバイルバッテリーが発火するというニュースがあり、多くの方が不安を感じたことでしょう。iPhoneに搭載されているのも、同じ「リチウムイオン電池」です。

基本的に、Apple純正のバッテリーは非常に高い安全基準のもとで製造・管理されており、通常使用の範囲内で突然発火するようなことはまず考えられません。Appleは、過充電や過放電、異常な温度上昇などを防ぐための保護回路を何重にも組み込んでいます。

しかし、リスクがゼロになるわけではありません。特に、以下のようなケースでは危険性が高まります。

  • 強い衝撃を与える: iPhoneを地面に激しく落下させるなど、物理的なダメージがバッテリーに加わると、内部でショートが起こり発火の原因となることがあります。
  • 水没: 内部に水分が侵入すると、回路がショートし、バッテリーの異常発熱につながることがあります。
  • 非正規の粗悪なバッテリー: 安全基準を満たしていない非正規のバッテリーに交換した場合、保護回路が正常に機能せず、発火リスクが高まります。
  • 不適切な充電器の使用: Appleの認証を受けていない(MFi認証なし)安価な充電器やケーブルは、電圧が不安定でバッテリーにダメージを与え、事故の原因となることがあります。

中古iPhoneを選ぶ際は、外装に激しい損傷や歪みがないかを確認することも、安全なバッテリーを搭載した個体を見極める上で間接的に重要となります。そして、購入後は必ずMFi認証を受けた信頼できる充電アクセサリーを使用してください。

信頼できる中古販売店の見極め方(保証、赤ロムなど)

安心して中古iPhoneを購入するためには、信頼できる販売店を選ぶことが何よりも重要です。私が長年チェックしているイオシスやじゃんぱらのような大手専門店は、以下のような点で信頼性が高いと言えます。

  • 検品体制がしっかりしている: 専門のスタッフが動作確認や状態のチェックを厳格に行っています。バッテリー最大容量の表示もその一環です。
  • 保証制度が充実している: 通常、購入後3ヶ月程度の初期不良に対する保証が付いています。この期間内に何か問題が発生すれば、交換や返金に応じてもらえます。フリマアプリなどの個人間取引にはない、大きな安心材料です。
  • 「赤ロム保証」がある: 「赤ロム」とは、前の所有者が本体代金の分割払いを滞納したことなどにより、キャリアからネットワーク利用制限をかけられ、通話やモバイルデータ通信ができなくなった端末のことです。大手販売店では、万が一購入した端末が赤ロムになった場合に、全額返金や同等品との交換に応じてくれる「赤ロム永久保証」を付けていることがほとんどです。

店舗の評判や口コミを調べるだけでなく、どのような保証が付いているのかを事前にしっかりと確認することが、トラブルを避けるための鍵となります。

フリマアプリ(メルカリなど)での購入は避けるべきか?

メルカリやヤフオクなどのフリマアプリは、うまくいけば店舗よりも安くiPhoneを手に入れられる可能性があります。しかし、私は情報発信をする立場として、特に初心者の方には積極的におすすめしません。その理由は、個人間取引ならではのリスクが非常に高いからです。

  • 商品説明が不正確・不十分な場合がある: バッテリー最大容量が記載されていなかったり、実際よりも良い数値を申告していたりするケースがあります。細かな傷や不具合が見落とされていることも少なくありません。
  • 保証がない: 購入後に不具合が見つかっても、基本的には自己責任となります。「ノークレーム・ノーリターン」を掲げている出品者も多く、トラブルに発展しやすいです。
  • 赤ロムのリスク: 出品者が分割払いの途中である端末を販売している可能性があり、購入後に赤ロム化するリスクが店舗購入よりも高いです。
  • アクティベーションロックのリスク: 前の所有者が「iPhoneを探す」をオフにし忘れていると、端末がロックされてしまい全く使えません(アクティベーションロック)。解除には前の所有者の協力が不可欠ですが、連絡が取れなくなるケースもあります。

これらのリスクを十分に理解し、自分で見極めるスキルがない限りは、多少高くても保証のしっかりした中古販売店で購入する方が、結果的に時間もお金も無駄にせずに済みます。

バッテリー以外に確認すべき中古iPhoneの重要項目

中古iPhoneを購入する際には、バッテリー以外にも確認すべき点が数多くあります。これらを見落とすと、購入後に後悔することになりかねません。

  1. 外観の状態: フレームや背面の傷、打痕、歪みなどをチェックします。特に角の傷は落下歴を示唆します。
  2. 液晶画面の状態: 画面の傷、ヒビ、ドット抜け(画面の一部が黒くなる)、色ムラ、焼き付き(同じ表示が薄く残る)がないか、白い画面や様々な色の画面を表示して確認します。
  3. 各種ボタンの動作: 電源ボタン、音量ボタン、マナーモードのスイッチが正常にカチッと動作するか確認します。
  4. カメラの動作: フロントカメラ、リアカメラの両方で写真と動画が正常に撮影できるか、レンズに傷や内部にホコリがないかを確認します。
  5. IMEI(製造番号)の確認: 端末の識別番号であるIMEIを確認し、ネットワーク利用制限がかかっていないか(赤ロムでないか)をキャリアのサイトでチェックします。
  6. SIMロックの有無: 現在ではSIMフリーが基本ですが、古いモデルの中には特定のキャリアでしか使えないSIMロック端末も存在します。自分の使いたいSIMカードが利用できるか、「SIMロックなし」と表示されるかを確認します。
  7. 水没反応の確認: SIMトレイの奥にある液体浸入インジケータ(LCI)が赤くなっていないか確認します。赤くなっている場合は水没歴があり、内部の腐食が進んでいる可能性があります。

iPhoneのバッテリー寿命を最大限に延ばすためのテクニック

せっかく手に入れたiPhone、できるだけ長く快適に使いたいものです。バッテリーの寿命は、日々の少しの心がけで大きく延ばすことができます。ここでは、Appleが公式に推奨する方法や、私が長年実践しているバッテリーを労わるためのテクニックをご紹介します。

引用 : Apple HP

今すぐやめて!バッテリー寿命を縮めるNGな充電方法

良かれと思ってやっているその習慣が、実はバッテリーにダメージを与えているかもしれません。以下の行動は避けましょう。

  • 充電が100%になってもケーブルを挿しっぱなしにする: 過充電防止機能があるとはいえ、満充電状態での継続的な電力供給はバッテリーに負荷をかけます。特に就寝中の充電はこれに陥りがちです。
  • バッテリー残量が0%になるまで使い切る: リチウムイオン電池は、残量が極端に少なくなる(過放電)と劣化が進みやすくなります。0%になる前に充電を始めるのが理想です。
  • 極端な高温・低温環境での使用や充電: Appleが推奨する最適な温度範囲は16℃~22℃、許容範囲は0℃~35℃です。真夏の車内への放置や、炎天下での充電はバッテリーの劣化を急激に早めるため絶対に避けてください。
  • ケースを付けたまま充電する: 充電中はiPhone本体が熱を持ちます。放熱性の悪いケースを付けたまま充電すると、熱がこもってしまい、バッテリーにダメージを与えます。充電中に本体が温かいと感じたら、ケースから外しましょう。

Apple推奨!「バッテリー充電の最適化」機能をオンにしよう

iOS 13以降のiPhoneには、「バッテリー充電の最適化」という非常に優れた機能が搭載されています。これは、ユーザーの毎日の充電の傾向を学習し、バッテリーが80%を超えてからの充電ペースを遅らせることで、満充電の時間をできるだけ短くし、バッテリーの劣化を抑制してくれる機能です。

例えば、毎晩就寝中に充電している場合、iPhoneはユーザーが起きる直前の時間に合わせて100%になるように充電を調整してくれます。この機能はデフォルトでオンになっていますが、念のため確認しておきましょう。

確認手順: 「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」→「バッテリー充電の最適化」がオンになっているか確認。

この機能を活用するだけで、バッテリーへの負荷を大きく軽減できます。

充電しながらのスマホ操作がバッテリーに与える致命的なダメージ

「充電しながらゲームをする」「動画を見ながら充電する」といった行動は、バッテリーにとって最悪の行為の一つです。

これは、「充電による発熱」と「高負荷なアプリ使用による発熱」が同時に発生するためです。リチウムイオン電池は熱に非常に弱く、高温状態が続くと化学反応が異常に進み、不可逆的な劣化(=寿命が縮む)を引き起こします。

充電中はできるだけiPhoneを操作せず、涼しい場所に置いておくのが鉄則です。急いでいる場合でも、せめて高負荷なゲームや動画編集などの作業は避けるようにしてください。

急速充電とワイヤレス充電はバッテリーを劣化させる?噂の真相

「急速充電やワイヤレス充電はバッテリーに悪い」という話を耳にしたことがあるかもしれません。これについては、一概に「悪い」とは言えません。

  • 急速充電: Apple純正やMFi認証のある急速充電器は、iPhoneと通信しながら最適な電力を供給するように設計されています。ただし、通常の5W充電器に比べて発熱量が大きくなる傾向があるため、熱がこもらない環境で使用することが重要です。
  • ワイヤレス充電 (MagSafe, Qi): ワイヤレス充電は構造上、有線充電よりもエネルギー効率が低く、その分熱として失われるエネルギーが多くなります。つまり、発熱しやすい傾向にあります。

結論として、MFi認証のある製品を使い、熱対策(ケースを外す、涼しい場所で充電する)をしっかり行えば、急速充電やワイヤレス充電が極端にバッテリー寿命を縮めることはありません。しかし、バッテリーへの負荷を最小限に抑えたいのであれば、発熱の少ない従来の5W充電器を使用するのが最も優しい選択と言えるでしょう。

OSのアップデートはこまめに!バッテリー消費との関係

Appleは、iOSのアップデートを通じて、電力管理の改善や省電力化のアップデートを行うことがよくあります。古いiOSのまま使い続けると、最新の省電力技術の恩恵を受けられず、バッテリーを無駄に消費してしまう可能性があります。

セキュリティの観点からも、iOSは常に最新の状態に保つことをお勧めします。アップデート直後は、内部処理の影響で一時的にバッテリー消費が増えたように感じることがありますが、数日経てば安定することがほとんどです。

簡単だけど効果絶大!バッテリー節約のための設定見直し

最後に、バッテリー消費を抑えるための簡単な設定をいくつかご紹介します。これらを見直すだけで、1日のバッテリー持ちが改善されることがあります。

  • 画面の明るさを調整する: ディスプレイはバッテリー消費の大きな要因です。「設定」→「画面表示と明るさ」で明るさを少し下げるか、「明るさの自動調節」をオンにしましょう。
  • Appのバックグラウンド更新をオフにする: 使っていないアプリが裏で通信や更新を行うのを制限します。「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」から、全体をオフにするか、不要なアプリを個別にオフに設定します。
  • 位置情報サービスを見直す: 常にGPSが作動しているとバッテリーを大きく消費します。「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」から、アプリごとに許可設定を「このAppの使用中のみ許可」や「なし」に変更しましょう。
  • プッシュ通知を整理する: 不要なアプリからの通知をオフにします。通知のたびに画面が点灯し、バッテリーを消費するのを防ぎます。「設定」→「通知」からアプリごとに設定します。

まとめ

今回は、iPhoneのバッテリー交換の目安から、中古iPhone購入時の注意点、そしてバッテリーを長持ちさせる秘訣まで、幅広く解説してきました。

重要なポイントを改めて整理します。

  • 交換の目安は「最大容量80%」と「サービス表示」。 これらを基準に、パフォーマンスの低下を感じたら交換を検討しましょう。
  • バッテリー交換は、安心と安全を最優先するならApple正規サービスプロバイダが最適です。
  • 中古iPhoneを選ぶ際は、バッテリー最大容量「85%以上」を目安に。 ただし、バッテリー以外の外観や動作チェックも決して怠ってはいけません。
  • フリマアプリでの購入はリスクが高い。 初心者は保証のしっかりした大手中古販売店を選びましょう。
  • バッテリーの寿命は日々の使い方で決まります。 過充電・過放電を避け、「バッテリー充電の最適化」を活用し、特に「ながら充電」は絶対にやめましょう。

iPhoneのバッテリーは、いわば心臓部です。その状態を正しく理解し、適切にメンテナンスすることで、あなたのiPhoneライフはより快適で経済的なものになります。この記事が、その一助となれば幸いです。