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AirPods

AirPodsのライブ翻訳は日本ではサービス非対応になる可能性|スマホ新法を詳しく解説

ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、待望のAirPods Pro 3に搭載された「ライブ翻訳」機能に胸を躍らせている一方で、「スマホ新法」という新しい法律によって、その目玉機能が日本では使えなくなるかもしれない、という不穏な噂を耳にして不安に思っているのではないでしょうか。

引用 : Apple HP

私も長年のAppleユーザーとして、画期的な新機能が法律によって制限される可能性については、非常に強い関心と少しばかりの懸念を抱いています。せっかくの技術革新を、私たちは存分に享受できるのでしょうか。

この記事を読み終える頃には、AirPodsのライブ翻訳がなぜスマホ新法と関係しているのか、海外では既にどのような影響が出ているのか、そして最も重要な「日本ではどうなるのか」という疑問が、明確に解決しているはずです。

記事のポイント
  • AirPods待望の革新的なライブ翻訳機能
  • 日本で2025年後半に施行されるスマホ新法の概要
  • スマホ新法がライブ翻訳の国内提供に与える深刻な影響
  • 海外の先行事例から見る日本の今後の展開予測
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Contents
  1. 【最重要】AirPodsのライブ翻訳が「スマホ新法」で使えなくなる可能性を徹底解説
  2. そもそもAirPodsのライブ翻訳はどんな機能?その革新性に迫る
  3. AirPods Pro 3はライブ翻訳以外もすごい!注目の新機能と性能レビュー
  4. なぜ今?AirPodsを取り巻く市場の変化とスマホ新法の背景
  5. まとめ

【最重要】AirPodsのライブ翻訳が「スマホ新法」で使えなくなる可能性を徹底解説

多くのAppleユーザーが心待ちにしているAirPodsのライブ翻訳機能。しかし、その未来に「スマホ新法」という暗い影が忍び寄っています。このセクションでは、なぜこの素晴らしい機能が日本で使えなくなる可能性があるのか、その核心部分を、順を追って詳しく解説していきます。

引用 : Apple HP

結論:なぜAirPodsのライブ翻訳が使えなくなる可能性があるのか

結論から申し上げます。AirPodsのライブ翻訳機能が日本で利用できなくなる可能性があるのは、Appleのサービスとデバイスの深い連携(エコシステム)が、日本の新しい法律「スマホ新法」によって「不公正な囲い込み」と見なされる恐れがあるからです。

法律は、Appleのような巨大IT企業に対し、自社サービスを他社にも開放(オープン化)するよう求める可能性があります。しかし、Appleはセキュリティやユーザー体験の一貫性を理由にその要求に応じず、結果として**「オープン化できないなら、その機能自体の提供を停止する」という選択をする可能性**がゼロではないのです。これは憶測ではなく、すでに海外の同様の法律下で現実に起きている事象です。

そもそも「スマホ新法」とは何か?目的と概要をわかりやすく

「スマホ新法」とは、通称であり、正式名称は「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」です。この法律は、2025年後半までの施行を目指して準備が進められています。

引用 : 毎日新聞 HP

この法律の主な目的は、AppleやGoogleといった特定の巨大IT企業(プラットフォーマー)による市場の寡占化を防ぎ、より公正な競争環境を促進することにあります。具体的には、彼らが運営するOS(iOSやAndroid)やアプリストア、ブラウザ、検索エンジンなど、影響力の大きい「特定ソフトウェア」の提供において、他の事業者(アプリ開発者など)が不利益を被るような行為を禁止するものです。

スマホ新法で禁止される行為の例

  • 自社サービス(アプリ、決済システムなど)を、正当な理由なく他社サービスより優遇すること。
  • アプリ開発者に対し、自社のアプリストアや決済システムの利用を強制すること。
  • ユーザーが標準アプリ(ブラウザや検索エンジンなど)を簡単に変更できないようにすること。
  • 取得したデータを、競合する自社サービスの開発に利用すること。

これらの規制は、一見するとユーザーや開発者にとって有益なものに見えます。しかし、プラットフォーマーが築き上げてきたサービス間の「連携」という利便性までをも制限しかねない、諸刃の剣となる可能性があるのです。

なぜ法律がAppleの便利機能を制限するのか?「独占禁止」の考え方

Apple製品の最大の魅力は、iPhone、Mac、iPad、Apple Watch、そしてAirPodsといったデバイス同士が、まるで一つの生き物のようにシームレスに連携することにあります。この強力なエコシステムは、Apple IDとiCloudを核として構築されており、ユーザーに他にない快適な体験を提供しています。

しかし、規制当局の視点から見ると、この強力な連携が「ユーザーの囲い込み」であり、他社が参入するのを妨げる「障壁」だと映ることがあります。例えば、AirPodsのライブ翻訳機能が、AppleのOSやAI(Apple Intelligence)と不可分に連携して実現されている場合、「その基盤技術を他のイヤホンメーカーにも公平に提供すべきだ」という要求に繋がりかねないのです。

Appleがもし「この機能は、我々のOS、ハードウェア、ソフトウェアが三位一体となって初めて、高いセキュリティとパフォーマンスを保証できるものだ」と主張し、技術のオープン化を拒否した場合、法律を遵守するためには、その機能の提供自体を取りやめるという苦渋の決断を迫られる可能性が出てくるわけです。

海外の先行事例:EUのデジタル市場法(DMA)で既に起きていること

このシナリオが単なる杞憂ではないことを示す、強力な証拠があります。それは、欧州連合(EU)で既に施行されている「デジタル市場法(DMA)」です。日本のスマホ新法は、このDMAを大いに参考にしていると言われており、EUで起きていることは、日本の未来を占う上で極めて重要な指標となります。

そして、そのEUでは、DMAの影響により、すでに一部のAppleの新機能が提供されていません。

制限されている機能①:iPhoneミラーリング

macOS Sequoiaで発表された、iPhoneの画面をMacに映し出し、操作もできる「iPhoneミラーリング」。多くのユーザーが期待したこの機能ですが、Appleは公式に「DMAがもたらす規制上の不確実性」を理由に、EU域内での提供を当面見送ると発表しました。

制限されている機能②:ライブ翻訳

そして、本題であるAirPodsのライブ翻訳機能も、Appleの公式サイトでEUでは利用できないことが明記されています。これもDMAへの懸念が原因です。つまり、「法律のせいで新機能が使えなくなる」という事態は、すでに現実のものとなっているのです。

これらの事実は、日本のスマホ新法が施行された際、Appleが同様の対応を取る可能性が十分にあることを示唆しています。

Appleのセキュリティとエコシステム vs オープン化の要求

Appleは長年、ハードウェアとソフトウェアを自社で一貫して開発することで、高いセキュリティと最適化されたユーザー体験を実現してきました。この「閉じた生態系(Walled Garden)」こそが、Apple製品の価値の源泉でした。

しかし、スマホ新法やDMAのような「オープン化」を求める規制は、この壁に穴を開けることを要求します。Appleからすれば、セキュリティホールを生み出し、長年かけて築き上げたエコシステムの利便性を損なうリスクを冒してまで、中途半端に技術を開放することはできない、という判断に至るのは自然な流れかもしれません。その結果が、「機能の提供停止」という最悪のシナリオに繋がりうるのです。

AirDropも危ない?スマホ新法が影響を及ぼす可能性のある他の機能

影響はライブ翻訳だけに留まらない可能性があります。例えば、Appleデバイスユーザーなら誰もが利用するであろう「AirDrop」。これもApple IDや独自のプロトコルに深く依存した機能です。もし「AirDropの仕組みをAndroidでも使えるようにオープン化しろ」という要求が出た場合、Appleがどう対応するかは不透明です。

他にも、デバイス間の連携を前提とした「ユニバーサルクリップボード」や「Handoff」など、多くの便利機能がリスクに晒される可能性があります。私たちが当たり前のように享受してきたAppleエコシステムの利便性が、一つ、また一つと失われていく未来は、決して想像したくありません。

日本でのサービス提供はどうなる?今後のシナリオを予測

では、日本では具体的にどうなるのでしょうか。考えられるシナリオは大きく分けて3つです。

  1. シナリオ1:EUと同様に機能が制限される 最も懸念されるシナリオです。日本のスマホ新法がDMAとほぼ同様に厳格に運用された場合、AppleはEUと同じ判断を下し、ライブ翻訳をはじめとする新機能の日本での提供を見送る可能性があります。
  2. シナリオ2:日本向けに仕様を変更して提供される 日本の法律の細かな要求に合わせて、Appleが機能の一部を修正・制限した上で提供する可能性です。しかし、機能の根幹に関わる部分の変更は、多大な開発コストと時間を要するため、Appleがそこまで柔軟に対応するかは疑問が残ります。
  3. シナリオ3:問題なく提供される 最も楽観的なシナリオです。日本のスマホ新法の運用が、Appleのエコシステムの利便性を損なわない範囲で、比較的柔軟に行われるケースです。この場合、私たちは何事もなかったかのように新機能を使えるでしょう。しかし、EUでの前例がある以上、手放しで期待するのは難しい状況です。

現時点では、どのシナリオになるかは誰にも断定できません。2025年後半の法施行と、その後の規制当局の具体的な動きを、私たちは固唾を飲んで見守るしかないのです。

そもそもAirPodsのライブ翻訳はどんな機能?その革新性に迫る

さて、ここまで少し難しい話が続きましたので、話題を機能そのものに戻しましょう。規制の懸念があるとはいえ、AirPodsに搭載されるライブ翻訳機能が、いかに画期的で私たちのコミュニケーションを根底から変える可能性を秘めているか、その魅力と仕組みを詳しく見ていきましょう。

引用 : Apple HP

SFの世界が現実に?AirPodsのライブ翻訳の仕組み

まるでSF映画に出てくる「翻訳こんにゃく」のような体験。それがAirPodsのライブ翻訳です。仕組みは非常に直感的です。

  1. 会話をしたい相手と自分、それぞれがAirPodsを装着します。
  2. iPhone上で翻訳したい言語を設定します。
  3. あとは、いつも通り自分の母国語で話すだけ。
  4. 自分の話した言葉が、相手の耳元のAirPodsでは相手の言語にリアルタイムで翻訳されて再生されます。
  5. 逆に、相手が話した言葉も、自分のAirPodsでは日本語に翻訳されて聞こえてきます。

これにより、言語の壁を意識することなく、まるで同じ言語を話しているかのような自然な会話が可能になります。これは、Appleの高度なAI技術である「Apple Intelligence」と、AirPodsの高性能なマイク、そしてプロセッサが連携することで実現される、まさに次世代のコミュニケーションツールです。

ライブ翻訳の対応言語と今後の拡大予定(日本語対応はいつ?)

サービス開始当初の対応言語は、英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語などです。そして、Appleは2025年内に日本語、イタリア語、韓国語、中国語などを追加すると発表しています。

つまり、法的な問題さえクリアできれば、私たちは来年にはこの未来的な機能を体験できるはずなのです。この「はず」という部分に、スマホ新法の影が重くのしかかっているのが現状です。

海外旅行での活用シーンをシミュレーション

この機能があれば、海外旅行の体験は一変するでしょう。

  • レストランでの注文: メニューの細かい内容について質問したり、アレルギー情報を伝えたりすることがスムーズにできます。「この料理は辛いですか?」「ナッツは入っていますか?」といったコミュニケーションが、もう怖くありません。
  • ホテルでの交渉: 「部屋からの眺めが良い部屋に変えてほしい」「チェックアウトの時間を延長したい」といったリクエストも、気兼ねなく伝えられます。
  • 現地の人との交流: 市場で値段交渉をしたり、道端で地元の人におすすめの場所を尋ねたり。これまで言葉の壁で諦めていた、より深い文化交流が可能になります。

翻訳アプリをいちいち開く手間もなく、目を見て自然に会話ができる。この体験価値は計り知れません。

ビジネスシーンでも大活躍?国際会議やインバウンド対応での可能性

活用シーンは観光に留まりません。

  • 国際会議: 海外支社のスタッフとの急な打ち合わせでも、通訳を手配することなく、スムーズに意思疎通が図れます。
  • インバウンド対応: 店舗や宿泊施設で、海外からのお客様対応に活用できます。スタッフ全員が多言語対応可能となり、顧客満足度の向上に直結するでしょう。
  • 海外赴任・留学: 現地での生活の立ち上げや、学校でのコミュニケーションを強力にサポートしてくれます。

言語の習得が不要になるわけではありませんが、コミュニケーションの初動のハードルを劇的に下げてくれる、強力なアシスタントとなることは間違いありません。

ライブ翻訳が使えるAirPodsの対応モデルは?

この革新的なライブ翻訳機能は、最新のAirPods Pro 3だけでなく、ファームウェアアップデートによってAirPods Pro 2や、ノイズキャンセリング搭載の**AirPods(第4世代)**でも利用可能になるとされています。

つまり、すでにPro 2などをお持ちのユーザーも、この機能の恩恵を受けられる可能性があるのです。だからこそ、この機能が日本で使えるかどうかは、非常に多くのユーザーにとって他人事ではないのです。

AirPods Pro 3はライブ翻訳以外もすごい!注目の新機能と性能レビュー

ライブ翻訳の話題に隠れがちですが、AirPods Pro 3はオーディオデバイスとしても着実かつ大幅な進化を遂げています。私自身、発売日から使い込んでいますが、その完成度の高さには目を見張るものがあります。ここでは、ライブ翻訳以外の注目ポイントをレビューしていきましょう。

引用 : Apple HP

ワークアウトの相棒に!高精度な心拍数センサー搭載

AirPods Pro 3には、新たに心拍数センサーが搭載されました。これにより、イヤホンを装着しているだけで、ワークアウト中の心拍数をリアルタイムで計測できます。

Apple Watchを持っていなくても、iPhoneのフィットネスアプリと連携し、ウォーキングやランニング中の消費カロリーなどを記録できるようになったのは大きな進化です。1秒間に256回のパルスで血流を測定するという高精度なもので、実際にApple Watchの計測値と比較しても遜色ないデータが取れています。Apple Watchの充電が切れてしまった時でも、AirPods Pro 3があればワークアウトの記録を継続できるのは、日々のトレーニングを欠かさないユーザーにとって心強い味方となるでしょう。

静寂の世界へ。AirPods Pro 2から2倍に進化したノイズキャンセリング

ノイズキャンセリング性能は、もはや異次元のレベルに達したと言っても過言ではありません。公式にはAirPods Pro 2の2倍と謳われていますが、体感としてはそれ以上です。

実際に電車内で試してみると、Pro 2ではうっすらと聞こえていた「ゴォー」という走行音が、Pro 3ではほぼ無音になります。駅の雑踏の中でも、Pro 3を装着した瞬間に、まるで自分だけの静かな空間にワープしたかのような感覚に陥ります。特に、人の話し声などの中音域のノイズの消え方が見事で、カフェでの作業などへの集中力は格段に向上しました。これは、新しいH3チップの処理能力と、改良された音響設計の賜物でしょう。

音質の進化は?実際に聴き比べてみたインプレッション

音質に関しても、着実な進化が感じられます。全体の解像度が一段上がり、特に低音の表現力が豊かになりました。Pro 2もバランスの取れた良い音でしたが、Pro 3はより深みと迫力があり、音楽への没入感が高まっています。

ジャズを聴けばウッドベースの弦の震えが、ロックを聴けばバスドラムのアタック感がよりリアルに感じられます。かといって、高音域が埋もれることもなく、クリアで見通しの良いサウンドは健在です。Appleらしい、特定のジャンルに偏らない万能な音作りが、さらに一段高いレベルに昇華したという印象です。

バッテリー持続時間と充電性能を実機テスト

バッテリー持続時間も向上しています。私のテストでは、ノイズキャンセリングをオンにした状態で音楽を再生し続けたところ、公称値の7.5時間をわずかに上回る結果となりました。心拍数センサーをオンにしてワークアウト計測をしながらでも、6時間以上は余裕で持ちます。1日中外出していても、ケースで数回充電すればバッテリー切れの心配はまずないでしょう。

AirPods Pro 2からの買い替えは「あり」か?価格と性能を比較

では、AirPods Pro 2のユーザーは買い替えるべきでしょうか。価格と性能を比較してみましょう。

機能 AirPods Pro 2 AirPods Pro 3
価格(税込) 39,800円(発売時) 39,800円
ノイズキャンセリング 高性能 最大2倍向上
ライブ翻訳 ○(対応予定) ○(対応予定)
心拍数センサー ×
防水性能 IPX4 IP57
チップ H2 H3
バッテリー 最大6時間 最大7.5時間

正直なところ、非常に悩ましい選択です。ノイズキャンセリング性能の向上は劇的で、この静寂を知ってしまうと元には戻れません。また、ワークアウトを頻繁に行う方にとっては心拍数センサーは大きな魅力です。

しかし、Pro 2の完成度も依然として非常に高いのも事実。もしあなたが現状のノイキャン性能に満足しており、ワークアウトにもApple Watchを使っているのであれば、急いで買い替える必要はないかもしれません。一方で、これから初めてAirPods Proを購入するのであれば、迷わずPro 3を選ぶべきです。同じ価格で、全ての面で進化した体験が手に入ります。

なぜ今?AirPodsを取り巻く市場の変化とスマホ新法の背景

最後に、なぜ今、このような「スマホ新法」のような法律が作られ、AirPodsのような製品がその影響を受けるのか、その背景にある市場の変化についても少し触れておきましょう。

かつての絶対王者AirPodsの人気に陰り?市場シェアの変化

2016年の登場以来、ワイヤレスイヤホン市場を席巻してきたAirPodsですが、その勢いには陰りが見え始めています。2020年のピーク時には国内シェア45%を誇りましたが、近年は30%を下回る水準まで低下しているというデータもあります。

「高すぎる」の声?価格設定とユーザーのiPhone離れ

人気低迷の大きな理由の一つが「価格」です。AirPodsシリーズは、最も安価なモデルでも2万円を超え、Proモデルに至っては約4万円と、決して気軽に買える価格ではありません。加えて、スマートフォンの高価格化により、かつてほど圧倒的ではなくなったiPhoneから、より安価なAndroidへ移行するユーザーも増えています。iPhoneユーザーでなければAirPodsの真価は発揮できないため、iPhone離れはそのままAirPods離れに直結するのです。

ソニーやAnkerなど競合製品の台頭

市場には、AirPods以外にも魅力的な製品が溢れています。ソニーは業界最高クラスのノイズキャンセリング性能と高音質を両立した製品で高い評価を得ていますし、Ankerなどは、1万円台から購入できるコストパフォーマンスに優れた製品を次々と投入し、多くのユーザーの支持を集めています。消費者の選択肢が増え、もはや「ワイヤレスイヤホン=AirPods」という時代ではなくなったのです。

なぜ世界的にプラットフォーマーへの規制が強まっているのか

こうした市場の変化の中で、AppleやGoogleのようなプラットフォーマーの力が強大になりすぎたことへの懸念が、世界的に高まっています。彼らが作るOSやアプリストアという「土台」の上で、他の多くの企業がビジネスを行っていますが、そのルールを決めるのはプラットフォーマー自身です。この力の不均衡が、公正な競争を阻害しているのではないか、という問題意識が、EUのDMAや日本のスマホ新法といった規制強化の動きに繋がっているのです。

その流れ弾が、私たちの愛するAirPodsの便利な機能に当たってしまっている、というのが今回の問題の構造と言えるでしょう。

まとめ

今回は、AirPodsのライブ翻訳機能と、その提供に影響を及ぼす可能性のある「スマホ新法」について、多角的に掘り下げてきました。

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • AirPodsのライブ翻訳は、言語の壁を取り払う画期的な機能であり、2025年内に日本語対応が予定されている。
  • しかし、日本の「スマホ新法」が、海外の「DMA」と同様にAppleのエコシステムを「独占的」と見なした場合、日本でのサービス提供が停止される可能性がある。
  • EUではすでにライブ翻訳やiPhoneミラーリングが利用不可となっており、日本でも同様の事態が起こることは十分に考えられる。
  • AirPods Pro 3自体は、ノイズキャンセリングや心拍数センサーなど、翻訳機能以外も大幅に進化した素晴らしいデバイスである。

現時点でAirPods Pro 3の購入を検討している方は、「ライブ翻訳機能は、現時点では日本で使えるか不確定である」というリスクを認識した上で判断する必要があります。もちろん、ライブ翻訳がなくても、AirPods Pro 3は最高のワイヤレスイヤホンの一つであることは間違いありません。

テクノロジーの進化が、法律や政治の壁によって阻まれることなく、私たちの生活を豊かにしてくれる未来が来ることを、一人のガジェット好きとして切に願っています。今後のスマホ新法の動向については、私も引き続き注視し、新たな情報が入り次第、またレビューをお届けしたいと思います。