ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、発売されたばかりの「iPhone17Pro」を手にしている女子高生を見かけて、「なぜ彼女たちはあんな高価なものを買えるのだろう？」と疑問に感じているのではないでしょうか。
私もSNSで同様の投稿を目にしましたし、その気持ちはよくわかります。最新のProモデルとなれば、決して安い買い物ではありませんからね。
しかし、その背景には、私たちが想像する以上に多様な理由と現代ならではの方法が存在します。この記事を読み終える頃には、なぜ女子高生がiPhone17Proを手にできるのか、その疑問がクリアになっているはずです。
記事のポイント
- 女子高生の多様な資金源の解明
- 現代ならではの賢い購入サポート術
- iPhone17Proが持つ特別なステータス性
- 長期的な視点でのコストパフォーマンス
なぜ女子高生がiPhone17Proを手にできるのか？考えられる8つの入手方法
多くの人が最も気になるのは、「どうやって購入資金を捻出しているのか？」という点でしょう。最新のiPhone17Proは、最も安いストレージモデルでも20万円に迫る価格帯です。大人が購入するにも覚悟がいるこのデバイスを、女子高生はどのようにして手に入れるのでしょうか。考えられる具体的な方法を8つに分類し、それぞれを深く掘り下げて解説していきます。
親からのプレゼントや購入資金の援助
最も一般的で想像しやすいのが、親からの援助です。これにはいくつかのパターンが考えられます。
誕生日や入学祝いなどの特別なプレゼント
高校入学や誕生日、クリスマスといった特別なイベントのプレゼントとして、iPhone17Proを贈られるケースです。祖父母からのプレゼントという場合も少なくありません。特に、学業での好成績や部活動での活躍など、何らかの「ご褒美」として買い与えられることも多いようです。
家庭の経済状況と教育方針
もちろん、家庭の経済的な豊かさが背景にあることは否定できません。しかし、単に裕福だからという理由だけでなく、「良いものを長く使わせたい」「最先端の技術に触れさせたい」という教育方針を持つ家庭も増えています。 現代においてスマートフォンは、単なる連絡ツールではありません。調べ物や課題作成、情報収集など、学習に不可欠なツールとなっています。そのため、性能が高く、セキュリティ面でも安心できるiPhoneを、一種の教育投資として子どもに与える親は少なくないのです。「勉強に使うなら」という約束のもと、Proモデルの購入が許可されるケースは十分に考えられます。
親子間の交渉術
子ども自身が親を説得するケースもあります。「周りの友達はみんな最新のiPhoneを持っている」「古いスマホだと学校のアプリが動かない」「カメラ性能が良いと、学校行事の記録係として役立てる」など、巧みな交渉術で親からの許可と資金援助を取り付けるのです。分割払いであれば月々の負担は少ないと説明し、一部を自分のお小遣いやアルバイト代から支払うという条件を提示することもあるでしょう。
アルバイトで貯めたお金で購入
高校生の自立心と努力の賜物ともいえるのが、アルバイトによる購入です。高校生のアルバイトが可能な店舗は増えており、本人の努力次第でiPhone17Proの購入は決して夢ではありません。
高校生の平均的な収入と購入までの道のり
一般的な高校生のアルバイト時給は、地域にもよりますが1,000円から1,200円程度が相場です。仮に時給1,100円で、学業と両立しながら週3日、1日4時間働いたとします。
- 1ヶ月の収入：1,100円 × 4時間 × 12日 = 52,800円
iPhone17Proの価格を20万円と仮定すると、約4ヶ月分の給料で購入できる計算になります。もちろん、全額をiPhoneに費やすわけにはいきませんが、夏休みや冬休みなどの長期休暇に集中して働くことで、目標金額を貯めることは十分に可能です。飲食店やコンビニ、スーパーなど、高校生が働きやすい環境は数多く存在します。
目的意識がもたらす勤労意欲
「最新のiPhone17Proを手に入れる」という明確な目標は、働く上での強力なモチベーションになります。欲しいものを自分の力で手に入れるという経験は、彼女たちにとって大きな自信と達成感につながるでしょう。この経験を通じて、経済観念や計画性を養うことにも繋がります。
お年玉やお小遣いを計画的に貯蓄
アルバイトをしていない、あるいはアルバイト代だけでは足りない場合でも、日々の計画的な貯蓄によって目標を達成する女子高生もいます。
お年玉という大きな収入源
高校生にとって、お年玉は年間で最も大きな臨時収入です。親戚の数にもよりますが、平均して3万円から5万円ほど受け取ることが多いようです。このお年玉を一切使わずに貯金すれば、2〜3年でかなりの金額になります。iPhoneのモデルチェンジ周期を考えれば、中学時代から計画的に貯蓄を始めることで、高校生になる頃には最新モデルの購入資金が貯まっているというシナリオも現実的です。
月々のお小遣いからの積み立て
高校生の毎月のお小遣いは平均5,000円から10,000円程度と言われています。この中から毎月数千円でも貯金に回す習慣があれば、年間で数万円の貯蓄が可能です。お年玉と組み合わせることで、購入資金の大きな足しになります。欲しいものを手に入れるために、日々の小さな欲求を我慢し、目標に向かってコツコツと努力する堅実な一面が垣間見えます。
型落ちモデルの下取りプログラムを活用
これも非常に賢く、現実的な方法です。多くの女子高生は、親のお下がりや中古のiPhoneからスマートフォンデビューを飾ります。そして、新しいモデルに買い替える際に、現在使っているデバイスを下取りに出すことで、購入費用を大幅に抑えるのです。
Apple公式の「Apple Trade In」や、各通信キャリアが提供する下取りプログラムを利用すれば、デバイスの状態にもよりますが、数万円の割引が適用されます。
| 下取り対象モデル（例） | 下取り額（想定） |
|---|---|
| iPhone 15 Pro | 最大 90,000円 |
| iPhone 14 Pro | 最大 70,000円 |
| iPhone 13 | 最大 40,000円 |
※上記はあくまで過去の事例に基づく想定金額です。
例えば、現在使っているiPhone 15 Proを下取りに出せば、iPhone17Proの購入価格が実質的に半額近くになる可能性もあります。2年ごとにこのサイクルを繰り返すことで、常に最新に近いモデルを比較的少ない負担で使い続けることが可能になるのです。これは、新しいもの好きの若者にとって非常に合理的な選択と言えるでしょう。
通信キャリアの購入サポートプログラムを利用
現代のスマートフォン購入において、最も重要な要素と言っても過言ではないのが、このキャリアによる購入サポートプログラムです。この仕組みを理解することが、女子高生がiPhone17Proを持つ謎を解く最大の鍵となります。
残価設定型プログラムの仕組み
NTTドコモの「いつでもカエドキプログラム」、auの「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクの「新トクするサポート」などがこれにあたります。 これらのプログラムは、簡単に言えば「スマートフォンの残価設定ローン」です。デバイスの価格を24回や48回の分割払いに設定し、約2年後の返却を条件に、最終回（24ヶ月目など）の支払いを不要にするというものです。
例えば、20万円のiPhone17Proを48回払いのプログラムで購入した場合を考えてみましょう。キャリアが2年後の価値（残価）を10万円と設定したとします。この場合、ユーザーが支払うのは残りの10万円だけで済みます。
- 総額20万円 – 残価10万円 = 実質負担額10万円
- 10万円を23回で分割払い：約4,347円/月
月々5,000円以下の支払いで、最新のiPhone17Proが利用できるのです。この金額であれば、高校生のお小遣いや少額のアルバイト代でも十分に支払いが可能です。もちろん、2年後にはデバイスをキャリアに返却する必要がありますが、「常に新しいモデルを使いたい」と考える若者にとっては、所有することよりも利用することに価値があるため、非常に合理的なシステムなのです。
フリマアプリや中古品販売サイトでの売却益
自分の持ち物を売ってお金を作ることも、今や高校生にとって当たり前の金策となっています。
メルカリやラクマの活用
着なくなった洋服、読み終えた漫画や教科書、使わなくなったコスメ、アイドルやアニメのグッズなど、身の回りにある不用品をフリマアプリで販売します。特に限定品や人気のグッズは高値で取引されることもあり、思いがけない収入になることがあります。これらの売上金をコツコツ貯めて、iPhone17Proの購入資金の一部、あるいは全額を賄うのです。梱包や発送の手間はかかりますが、スマートフォン一つで完結するため、高校生にとっても手軽な方法です。
ポイントサイトやアンケートモニターでの副収入
いわゆる「ポイ活」も、高校生が手軽に始められる収入源の一つです。
指定されたアプリをダウンロードしたり、アンケートに回答したり、無料の会員登録をしたりすることでポイントが貯まり、それを現金や各種ギフト券に交換できます。一件あたりの報酬は数十円から数百円と少額ですが、通学中の電車の中などの隙間時間を利用してコツコツと続けることで、月々数千円から、多い人では1万円以上の収入を得ることも可能です。これもまた、購入資金の貴重な足しになります。
親族や知人からのお祝い・譲渡
これは少し特殊なケースですが、無視できない入手経路です。
例えば、親戚が新しいiPhoneに機種変更した際に、それまで使っていた比較的新しいモデル（iPhone 15 Proなど）を譲り受けるパターンです。女子高生本人が手にしたのは厳密には「最新モデル」ではないかもしれませんが、周囲から見れば十分に新しく、高性能なProモデルに見えるでしょう。 また、学業での優秀な成績を収めたお祝いとして、経済的に余裕のある祖父母や親戚からプレゼントされるといったケースも考えられます。
iPhone17Proの魅力と女子高生が欲しがる理由
では、そもそもなぜ女子高生は、スタンダードモデルではなく、高価な「Pro」モデルをそこまでして欲しがるのでしょうか。その背景には、彼女たちのライフスタイルや価値観が大きく影響しています。
引用 : Apple HP
高性能カメラとSNS映えする写真・動画
現代の女子高生にとって、スマートフォンは自己表現のための最も重要なツールです。特にInstagramやTikTokといったSNSへの投稿は、日常の一部となっています。
Proモデルならではのカメラ機能
iPhone17Proに搭載されているカメラは、もはやプロの撮影機材に匹敵する性能を持っています。
- 望遠カメラとマクロ撮影: スタンダードモデルにはない望遠カメラは、遠くの被写体を綺麗に撮影できるだけでなく、ポートレート撮影においても自然な背景ボケを生み出し、被写体を際立たせます。また、被写体に数センチまで寄れるマクロ撮影は、コスメやアクセサリー、カフェのスイーツなどを魅力的に撮るのに最適です。
- シネマティックモードとProResビデオ: 映画のような被写界深度（ボケ感）を再現できるシネマティックモードや、プロ品質の動画が撮影できるProResビデオは、Vlog（ビデオブログ）やショートムービーを作成する際に絶大な威力を発揮します。文化祭や体育祭などの学校行事を、よりクオリティの高い映像で記録したいというニーズは非常に高いのです。
- 暗所撮影性能: LiDARスキャナの搭載により、夜景やイルミネーション、室内の薄暗い場所でもノイズの少ない美しい写真が撮れます。友人との夜のイベントも、鮮明な思い出として残すことができるのです。
これらの機能は、友人との思い出をより美しく残し、SNSで「いいね」を多くもらうための強力な武器となります。
所有欲を満たすステータスシンボルとしての価値
いつの時代も、若者にとって「何を持っているか」は自己のアイデンティティを形成する上で重要な要素です。
「Pro」が持つ特別感
iPhoneの中でも「Pro」を冠するモデルは、最上位機種としての特別な意味を持ちます。チタニウムなどの高級感あふれる素材、Proモデル限定の最新カラーは、所有者に優越感と満足感を与えます。友人たちの前でiPhone17Proを取り出すことは、一種のステータスを示す行為でもあるのです。 これは、高級ブランドのバッグやスニーカーを持つ感覚に近いかもしれません。「自分は良いものを知っている」「こだわりを持っている」という自己表現であり、周囲からの羨望の眼差しを浴びたいという欲求を満たすものでもあります。
周囲との同調圧力とコミュニケーションツール
一方で、ネガティブな側面として「同調圧力」の存在も無視できません。
iPhoneが前提のコミュニケーション
高校生のコミュニケーションは、iPhoneの機能を前提として成り立っている部分が少なくありません。
- AirDrop: 写真や動画、連絡先の交換を瞬時に行えるAirDropは、iPhoneユーザー同士でなければ使えません。クラスの集合写真を共有する際など、AirDropが使えないと不便な思いをすることがあります。
- iMessage: iPhoneユーザー同士のメッセージアプリiMessageは、吹き出しが青色で表示されます。Androidユーザーからのメッセージ（SMS）は緑色で表示されるため、グループチャットなどで仲間外れにされているような感覚に陥る「グリーンバブル問題」が指摘されています。
このような環境下で、「みんながiPhoneだから自分もiPhoneがいい」「どうせ持つなら一番良いProモデルがいい」という思考になるのは自然な流れとも言えます。友人関係を円滑に保つための、いわば必要経費と捉えている側面もあるのです。
最新ゲームやアプリを快適に楽しむためのスペック
iPhone17Proが搭載する最新のAシリーズBionicチップは、他のどのスマートフォンをも凌駕する圧倒的な処理性能を誇ります。これは、特にゲームを楽しむユーザーにとって大きな魅力です。
高負荷な3Dゲームも最高設定で
「原神」や「PUBG Mobile」といった高グラフィックな3Dゲームを、最高設定でカクつくことなくスムーズにプレイできるのはProモデルならではの特権です。また、ProMotionテクノロジーによる最大120Hzのリフレッシュレートは、画面の動きを非常になめらかにし、操作の快適性を格段に向上させます。ゲームの世界に深く没入したい、対戦で有利に立ちたいと考える層にとって、このスペックは譲れないポイントです。
長期的な視点でのコストパフォーマンス
一見すると高価なiPhone17Proですが、長期的な視点で見ると、必ずしもコストパフォーマンスが悪いとは言えません。
高いリセールバリュー
iPhoneは、数年使った後でも中古市場で高く売れる「リセールバリュー」が非常に高いことで知られています。例えば、20万円で購入したiPhone17Proを2年間使用した後、10万円以上で売却できる可能性も十分にあります。実質的な負担額は10万円以下となり、月々で割れば数千円のコストで済む計算になります。 この「価値が落ちにくい」という特性を理解し、次の買い替え資金に充てることを前提にProモデルを選ぶ、非常に賢い女子高生もいるのです。
長く使える耐久性とサポート
Proモデルは、Ceramic Shieldといった頑丈なディスプレイや高い防水性能を備えており、物理的にも長持ちします。また、Appleは古いモデルに対しても長期間のソフトウェアアップデートを提供するため、数年後も最新の機能やセキュリティを維持したまま快適に使い続けることができます。安価なスマートフォンを短期間で買い替えるよりも、結果的に経済的であると判断する家庭もあります。
親が安心できる機能（位置情報共有など）
子どもに高価なスマートフォンを持たせることに、不安を感じる親も少なくありません。しかし、iPhoneには、その不安を払拭し、むしろ持たせるメリットとなる機能が搭載されています。
「探す」アプリによる見守り
「探す」アプリを使えば、家族間でいつでもお互いの位置情報を確認できます。これにより、親は子どもの帰りが遅い時でも居場所を把握でき、安心感を得られます。災害時や緊急時の安否確認にも役立ちます。この安心機能があるからこそ、スマートフォンの所持を許可し、どうせなら高性能で長く使えるProモデルを、と考える親もいるのです。
デザイン性の高さと豊富なアクセサリー
最後に、ファッションアイテムとしての魅力も忘れてはなりません。
iPhoneは、その洗練されたデザイン自体が魅力的ですが、最大の強みはサードパーティから販売されているアクセサリーの豊富さです。数え切れないほどのデザインのケースや、ストラップ、画面フィルムなどが存在し、自分の好みに合わせて自由にカスタマイズできます。 最新のiPhone17Proを手に入れることは、最新のファッションアイテムを手に入れることと同義であり、ケースやアクセサリーを選ぶ楽しみも、彼女たちにとっては大きな魅力なのです。
まとめ
本稿では、「なぜ女子高生がiPhone17Proを手にできるのか」という疑問に対し、考えられる8つの入手方法と、彼女たちがProモデルを欲しがる7つの理由を多角的に分析・解説してきました。
その背景には、親からの援助や本人の努力といった従来からの理由に加え、通信キャリアの購入サポートプログラムや下取り制度といった現代ならではの賢い購入方法が存在することがお分かりいただけたかと思います。
また、彼女たちが最新のProモデルに惹かれるのは、単なる見栄や贅沢だけが理由ではありません。SNSでの自己表現、円滑な友人関係の維持、趣味であるゲームの快適なプレイ、そして長期的なコストパフォーマンスまでを考えた、極めて合理的かつ戦略的な選択である側面が強いのです。
私たちの目には、不相応な高価なデバイスを持っているように映るかもしれません。しかし、その裏側には、現代を生きる彼女たちなりの価値観、計画性、そして努力が隠されています。スマートフォンが生活に不可欠なインフラとなった今、iPhone17Proは、彼女たちにとって友人であり、学習ツールであり、未来を切り拓くためのクリエイティブツールでもあるのです。今回のレビューが、その多面的な理解の一助となれば幸いです。
