ガジェット評論家兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、リニューアルオープンで話題の「Apple Store銀座」について、特に先行内覧会がどのような様子だったのか、非常に気になっていることと思います。

引用 : Apple HP
米国外初のApple Storeという歴史的な店舗がどのように生まれ変わったのか、私もApple製品の長年のユーザーとして、その瞬間を自分の目で確かめたいと強く感じていました。幸運にも今回、メディア向けの内覧会に参加する機会を得ましたので、その気になる気持ちはよくわかります。
この記事を読み終える頃には、新しくなったApple Store銀座の全貌と、先行内覧会の特別な体験についての疑問が、すっきりと解決しているはずです。
記事のポイント
- 日本初のApple Storeが遂げた伝統と革新の融合
- 全4フロアの徹底ガイドと注目すべきデザインの細部
- 銀座店だけで楽しめる限定AR体験と特別なギフトカード
- 先行内覧会で配布された超レアな限定ノベルティ

Apple Store銀座 先行内覧会で明らかになったリニューアルの全貌
2025年9月24日、来る9月26日のグランドオープンに先駆けて、新しく生まれ変わったApple Store銀座の先行内覧会が開催されました。私も幸運ながらこの特別な機会に招待いただき、その進化のすべてを体験してきました。
単なるリニューアルという言葉では片付けられない、Appleの日本、そして銀座という土地への深い敬意と未来へのビジョンが凝縮された空間。まずは、その全体像から詳しくレビューしていきましょう。
歴史と未来が交差する特別な場所、Apple Store銀座
ご存知の方も多いかと思いますが、Apple Store銀座は2003年にオープンした、アメリカ国外で初めてのApple Storeです。まさに日本のAppleファンの聖地とも言える場所。今回のリニューアルに際して、AppleのCEOであるティム・クック氏が直々にコメントを寄せたことからも、Apple本社がいかにこの店舗を重要視しているかが伺えます。

内覧会でマーケットリーダーの方からも語られましたが、Appleのミッションは「テクノロジーを通じて人々の暮らしを豊かにすること」。新しいApple Store銀座は、その理念をこれまで以上に高いレベルで体現する場所として設計されています。日本の伝統的な美意識と、Appleのミニマルで洗練されたデザイン哲学が見事に融合し、過去への敬意と未来への期待感が見事に共存していました。仮店舗での営業期間を経て、ついに元の場所である銀座3丁目に帰ってきたのです。その姿は、単に「新しくなった」というより「進化した」と表現するのがふさわしいでしょう。
内覧会で体験した特別な歓迎と雰囲気
ストアに足を踏み入れると、オープン時のようにスタッフの方々が温かい拍手で出迎えてくれました。これはApple Storeのオープンではおなじみの光景ですが、内覧会というクローズドなイベントでこれほどの歓迎を受けると、やはり特別な高揚感を覚えます。
会場には、私のようなメディア関係者や、著名なガジェット系YouTuberの方々が多数集まっており、皆一様に新しい空間に目を輝かせていました。海外から来日した超有名YouTuberの姿もあり、世界中から注目されているイベントであることがひしひしと伝わってきます。この熱気と期待感こそ、Appleというブランドが持つ引力の強さを物語っていると言えるでしょう。単なる店舗の内覧ではなく、Appleの新たな門出を祝う祭典のような、ポジティブなエネルギーに満ちた空間でした。
マーケットリーダーが語るApple Store銀座の新たなミッション
内覧会は、2階で行われたブリーフィングから始まりました。登壇したマーケットリーダーのゆり氏は、このストアが持つ特別な歴史に触れながら、新しいApple Store銀座が目指す姿について情熱的に語りました。
「このストアは日本で初めて、そしてアメリカ国外で最初にオープンしたApple Storeで、とても特別な場所です。」
この言葉には、単なる一店舗以上の重みがありました。iPodが生まれる前からAppleを知る人々にとっては、まさにカルチャーの発信地であったこの場所。新しいストアは、製品を販売するだけの場所ではなく、人々が集い、学び、創造性を発揮するためのコミュニティハブとしての役割をさらに強化していくとのこと。テクノロジーを通じて、訪れる人々の暮らしをより豊かにする。そのための最高の環境が、この銀座の地に再び用意されたのです。
銀座から始まる特別なToday at Appleセッション
ブリーフィングの目玉として、特別な「Today at Apple」セッションのデモンストレーションが行われました。今回、銀座店で先行して体験できるのは、大人気グループ「ナンバーアイ」とコラボレーションした「スポットライト:ナンバーアイの空間体験の中に飛び込もう」というセッションです。
これは、iPhoneで撮影された彼らのパフォーマンスをApple Vision Proで視聴するという、まさに異次元の体験。私も実際に体験させていただきましたが、その没入感は筆舌に尽くしがたいものでした。まるで目の前で、自分だけのためにパフォーマンスしてくれているかのような臨場感。ナンバーアイのファンの皆さんはもちろん、そうでない方も、Apple Vision Proが切り拓くエンターテイメントの未来を垣間見ることができるでしょう。
この特別なセッションは、まずApple Store銀座で先行スタートし、2025年10月11日からは日本全国のApple Storeへと展開される予定です。最先端の体験をいち早く味わいたい方は、ぜひ銀座を訪れることをお勧めします。
【フロア別徹底ガイド】新しくなったApple Store銀座の店内
新しいApple Store銀座は、縦長の空間を活かした4階建ての構造になっています。各フロアがそれぞれ明確な役割を持ちつつ、吹き抜け構造によって一体感のある開放的な空間を生み出しています。ここでは、各フロアを巡りながら、その詳細な機能とデザインのポイントを徹底的に解説していきます。

1階:最新iPhoneとアクセサリーが集結するエントランス
ストアの顔となる1階は、やはりAppleの主力製品であるiPhoneと、その関連アクセサリーが中心に展示されています。広々とした空間にテーブル型の什器が5台ほど配置され、ゆったりと最新モデルに触れることができます。
製品ロゴが刻まれた展示台のこだわり
私が特に感心したのは、製品が置かれた展示台のディテールです。例えば「iPhone 17 Pro」が置かれたテーブルには、マットな質感で大きく「Pro」のロゴが刻まれ、「iPhone 17」のテーブルにはモデル名が、そして「iPhone 17 Air」のテーブルには、その薄さを象徴するような細い書体で「Air」のロゴが入っていました。こうした細やかな演出が、製品への期待感を高めてくれます。ただ製品を並べるだけでなく、その世界観まで含めて伝えようというAppleの強い意志を感じる部分です。
壁一面の「iPhoneケースP」
壁面には、色とりどりのiPhoneケースが美しくディスプレイされています。この壁は「iPhoneケースP」と呼ばれているそうで、その展示方法にも驚くべきこだわりがありました。ケースを手に取ると、その下にはケースがハマっていた「型」が残るのですが、この型はiPhoneのモデルチェンジでサイズがわずかに変わるたびに、すべて作り直しているというのです。ミリ単位の変更も見逃さず、常に完璧なフィット感を追求する。まさに神は細部に宿る、を体現したようなこだわりです。
知られざる裏技?OS26でケースとアイコンカラーが連動
ここで、ガジェット評論家として非常に興奮した「裏技」的な機能を発見したので紹介します。最新のOS26を搭載したiPhoneでは、ホーム画面のカスタマイズ機能に「色合い調整」という項目が追加されています。ここで「本体」を選ぶとiPhone本体のカラーに合わせたアイコン配色に、「ケース」を選ぶと、なんと装着した純正ケースの色にアイコンの配色が自動で最適化されるのです。
実際にオレンジ色のケースを装着し、設定を切り替えると、アイコンが見事にオレンジ系のトーンに変化しました。これは、ケースを含めたトータルコーディネートをソフトウェアレベルで実現するという、Appleならではの発想です。この機能はまだあまり知られていないようなので、最新iPhoneを手に入れた方はぜひ試してみてください。
2階:Watch・Mac・iPadと便利なピックアップカウンター
階段またはエレベーターで2階へ上がると、そこはApple Watch、Mac、iPadといった製品群が並ぶフロアです。1階同様、吹き抜けに面しているため非常に開放感があります。
新しいApple Watchのディスプレイ
まず目を引いたのが、Apple Watchの新しいディスプレイ形式です。まるでブティックのように、様々なモデルが美しくレイアウトされており、見ているだけでも楽しくなります。その後ろにはApple Watchのバンドがずらりと並び、自由に組み合わせて試すことができます。
オンライン注文に対応した「ピックアップカウンター」
現代のショッピングスタイルを反映し、2階の奥にはオンラインで注文した製品を受け取るための「ピックアップカウンター」が専門コーナーとして設けられました。旧店舗では吹き抜けのあたりで待つスタイルでしたが、専用カウンターができたことで、よりスムーズで快適な受け取り体験が可能になります。これはユーザーにとって非常に嬉しい改善点と言えるでしょう。
3階:未来を体験するVision Proとクリエイティブの拠点
3階は、Appleの最先端テクノロジーとクリエイティビティを深く体験するためのフロアです。特に、Apple Vision Proの体験コーナーには、非常に広いスペースが贅沢に割り当てられています。
なぜ銀座に?旗艦店の証「Mac Pro」の展示
このフロアで、Appleファンなら誰もが息をのむであろう展示があります。それは、プロ向けの最高峰デスクトップ「Mac Pro」の実機展示です。実はこのMac Pro、すべてのApple Storeに置かれているわけではなく、ごく一部の「旗艦店」と呼ばれる店舗でのみ展示が許されています。関東では丸の内や表参道、そしてこの銀座がそれに当たります。この一台が置かれているという事実こそが、Apple Store銀座が特別な存在であることの何よりの証明なのです。
柔軟なレイアウトを可能にする壁面の工夫
さらにマニアックな視点ですが、3階の壁面には面白い仕掛けがありました。壁には押し込むとフックが出てくるような仕組みが隠されており、棚のレイアウトを自由自在に変更できるのです。これにより、イベントやセッションの内容に合わせて、空間を柔軟に作り変えることが可能になっています。空間オーディオの体験コーナーやToday at Appleが開催されるのも、この3階の奥のスペースです。
4階:広大で快適なサポート拠点「Genius Bar」
最上階の4階は、フロアのほぼすべてが「Genius Bar」として使われています。製品の修理や設定の相談など、Appleのエキスパートによるサポートを受けるための場所です。
これほど広大なGenius Barは、他の店舗でもなかなか見られません。天井も高く、非常に開放的で、サポートを待つ時間も快適に過ごせるよう配慮されています。机の高さが2種類用意されているのも特徴で、立って話すのに適した高さと、車椅子の方や子供でも使いやすい低い高さのテーブルが設置されています。こうしたユニバーサルデザインへの細やかな配慮にも、Appleの思想が貫かれています。
Apple Store銀座を彩る建築とデザインのこだわり
新しいApple Store銀座は、製品だけでなく、ストアそのものが一つのアート作品と言えるほどの建築的な魅力に満ちています。ここでは、特に印象的だったデザインのこだわりについて深掘りしていきます。
銀座の光を操る「ダブルスキンガラスファサード」
外から見て最も特徴的なのが、銀座通りに面したガラス張りの壁面です。これは「ダブルスキンガラスファサード」と呼ばれる最新の技術で、名前の通りガラスが二重構造になっています。そして、その二重のガラスの間に、可動式のルーバー(ブラインドのような板)が内蔵されているのです。
このルーバーは、店内に設置されたセンサーが日差しの強さや温度、人の有無を感知し、自動で角度を変えたり開閉したりします。これにより、常に快適な室温と明るさを保ちつつ、エネルギー効率も高めることができるというわけです。日本の伝統的な建築に見られる「簾(すだれ)」や「障子」からインスピレーションを得たかのような、光を巧みに操る美しいデザインです。
銀座線のオレンジが灯る階段の手すり
各フロアを繋ぐ階段は、壁面の鮮やかなオレンジ色が印象的です。そして、その手すりに注目すると、LEDが内蔵されており、柔らかい光を放っています。この光の色、実は東京メトロ銀座線のラインカラーであるオレンジ色を表現しているのだそうです。
その土地の文化や特徴をデザインにさりげなく取り入れる、Appleらしい粋な計らいです。この階段を上り下りしていると、どことなく旧店舗の雰囲気を思い出すような懐かしさも感じました。伝統を尊重しつつ、新しい表現を加える。リニューアルのコンセプトが見事に表現された象徴的な空間と言えるでしょう。
利便性が向上した新しいエレベーター
旧店舗のエレベーターは、いつ来るかわからない自動式で少し戸惑うこともありましたが、新しいストアではボタンで行き先を指定する一般的なタイプのエレベーターが3台設置され、利便性が大幅に向上しました。ガラス張りで未来的なデザインはそのままに、誰もが直感的に使えるよう改良されています。
天井デザインに見るApple Parkとの共通点
ストア全体の天井デザインは、音響効果も考慮された特殊な素材で覆われており、どことなくカリフォルニアにあるApple本社「Apple Park」のビジターセンターを彷彿とさせます。世界中のどのApple Storeを訪れても感じる一貫したデザイン哲学の中に、その土地ならではの個性を織り交ぜる。その絶妙なバランス感覚には、いつもながら感服させられます。
Apple Store銀座でしか手に入らない限定アイテムと体験
新しいApple Store銀座の魅力は、その空間だけではありません。ここでしか手に入らない限定アイテムや、特別な体験が用意されているのも大きな特徴です。

引用 : Apple HP
銀座の思い出に:限定デザインのギフトカード
お土産や記念品として絶対に手に入れたいのが、Apple Store銀座限定デザインのギフトカードです。リニューアルオープンを記念した特別なロゴがデザインされており、カード自体がステッカーになっています。最低1,000円から購入可能で、もちろん金額が目減りすることはありませんから、実質無料で限定デザインのステッカーが手に入るようなものです。これはファンならずとも見逃せないアイテム。内覧会に参加した皆さんも、こぞって購入していました。
店内で楽しめるARコンテンツ「水引」
もう一つの銀座店限定コンテンツが、日本の伝統文化である「水引」をテーマにしたAR体験です。店内に設置されたQRコードをiPhoneで読み込むと、画面上に現れるガイドに沿って指でなぞるだけで、美しい金と銀の水引がAR空間に描き出されます。
完成した水引は、壁紙として保存したり、AR機能で現実の風景に重ねて表示させたりして楽しむことができます。最新テクノロジーを使って日本の伝統に触れるという、非常にユニークで心憎い演出です。銀座を訪れた記念に、ぜひこのインタラクティブなアートを体験してみてください。
先行内覧会で配布された限定ノベルティを公開
最後に、多くの人が気になっているであろう、先行内覧会で配布された限定ノベルティをご紹介します。もちろん、これは内覧会参加者だけの特別な記念品ですが、オープン当日には、これとは異なるかもしれませんが、先着でノベルティが配布されるのが通例です。
今回私たちがいただいたのは、以下の3点セットでした。
- トートバッグ: ゴールドで銀座店のロゴがプリントされた、普段使いしやすいシックなデザイン。内側のポケットは、最も大きいサイズのiPhone 17 Pro Maxがすっぽり入るように設計されているという機能性も兼ね備えています。
- ピンバッジ: こちらもロゴをかたどったもので、シルバーとゴールドのコンビネーションが美しい、高級感のある作りです。
- 水引ARコンテンツカード: 店頭で体験したARコンテンツを、家に帰ってからも楽しめるようにするためのカードです。
これらのアイテムは、リニューアルオープンという特別な瞬間を共有した証。大切にしたいと思います。オープン当日にストアを訪れる方は、ぜひ早めの時間に行って、記念のノベルティをゲットしてください。
まとめ
今回、先行内覧会に参加して目の当たりにした新しいApple Store銀座は、単なる製品販売店という枠組みを大きく超えた、Appleの思想と哲学、そして未来へのビジョンを体現する場所でした。
米国外初のストアという歴史への敬意を払いながら、ダブルスキンガラスファサードのような最新の建築技術や、Apple Vision Proのような最先端の製品体験を導入。さらに、銀座線の色を取り入れたデザインや、「水引」のARコンテンツなど、日本・銀座という土地への深いリスペクトも感じさせます。
ここは、最新のApple製品に触れられるだけでなく、誰もがクリエイティビティを刺激され、学び、人々と繋がれるコミュニティハブです。あなたもぜひ、新しく生まれ変わったAppleの聖地を訪れ、その魅力を全身で体感してみてください。きっと、あなたの日常を豊かにする新たな発見が待っているはずです。